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それから2年の月日が経過した。
西門流の茶道は、以前の隆盛を取り戻しつつあった。
オレは家元として、襲名披露茶会は無事に終わった。
海外では日本文化の一環として、各国では大変な歓迎も受けた。
それでも、牧野への憧れは何処か忘れ物をした様に引っ掛かっていたものの。
茶道の家元としての激務が、そんな余裕すら奪っていった。

牧野はNYへ旅立ち、以降音信不通だ。
あの後に結婚し、今は二児の母になったとあきらを通じて報告が来た。
オレは何処か迷いがあったのだろうな。
それでも後悔は無かった。
今となっては淡くも苦い恋だった。

『優紀の手を離さないで欲しい』
牧野の最後の願いが叶ったのか、優紀は西門流を家元夫婦に混じって中枢部を仕切りつつある。
曲者揃いの京都の長老や、お茶屋の旦那衆にも気に入られている様だ。
どんだけ凄いんだよ?と思ってたら、家元夫人が相当鍛え込んでたらしい。
『優紀さんは茶道に関しては、未だ荒削りです。でもどことなく、気品が有りますのよ』
塾生は元々多い。
併し家元夫人もそれなりの家から嫁ぎ、上流階級から庶民迄は一通り知り尽くして居る。
牧野は置き土産をしてくれたのか?、どうにもならなかったオレを更正させたかったのか。
今後の舵取りから結果は、見えて来るのだから。
今度会う時は友人になれるか?、きっとなれるよな。
司があれだから無理か(笑)?、でも戻れるよな。


恋愛の結果ばかりが、全てではない。
一期一会、全ては此処にある。
何時もの笑顔で、オレは全てを乗り越えていく。
その時迄の別れとして。






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本当なら牧野にこの茶会が成功した暁には、結婚を意識した付き合いを言いたかった。
それが何の因果応報か、茶会で事故が起きて事態収集をする羽目になるとは。
取り敢えず、入院している正客を見舞った。
が、逆に『騒がせて申し訳ない』としきりに頭を下げる患者と家族達の対応。
業者は閉店し、『もう一度再起を掛ける』とブログやらFAX等で謝罪をし残務整理に掛かっている。
何も出来なかった、自分の未熟さが招いた災いなのかもしれない。
部屋に戻りながら、牧野との話をどう切り出すかを考えていた。
が、良い案は浮かばなくてシャワーを冷水で浴びた。
タブレットを見ながら、部屋でテレビのリモコンを探す。
テレビ番組を付けて見ると、家元の謝罪記者会見が放映されていた。
昨晩京都のホテルで、ネット中継した物を地上波で再放映してるからだ。
家元は今回の事件を機に、一線から退く事を表明した。
それにより自分は家元としての、襲名披露の茶会を改めて主催する事。
生まれ変わった西門流茶道を、アピールする目的も含めての茶会。
荷が重い重責を背負って、スタートラインを切る。


翌日、昼過ぎに牧野とは『メープル』の小料理屋の個室で会った。
「牧野、昨日は何処にいたんだ?」
「優紀のマンションに泊めて貰ったの。その後に道明寺と会ったんだ」
「司は牧野を攻めたのかよ」
「何も言わなかったんだ。でもそれが逆に辛くてね。あたしはやっぱり、西門さんとはお友達なんだよ」
「・・・」
「西門さんはやっぱり、優紀を大事にしてあげて欲しい。今回ね、あたしも自分の無力さが分かったし。何より道明寺に向き合えなかった、自分を認めたくなかったんだと思う」
「オレは牧野が好きなんは・・・・」
「親友のあたしが言うのは何だけど、優紀なら西門流や茶道に関しては力になれる。寧ろ、優紀みたいな人は絶対に探してでもだよ」
「・・・・」
「実はね、類にも会ったんだ。なのはさん・・だったかな。優しい女性だったよ。あたしね、西門さんにも甘えて迷惑掛けてた」
牧野は司や類と会っていたらしい。
「オレと付き合ってる事も?」
「それは・・・バレてた。だから、類にデコピンされたよ」
デコピンで済ませられる牧野って一体?
「西門さんに申し訳ない事したよ。あたし、帰るね」
「牧野、お前はそれで良いんか?」
牧野は何時もの黒髪に戻し、普通のショートカットになっている。
背伸びをした牧野が、前に戻っただけなんだろう。
それが牧野らしくて、不器用ながらも懸命に生きる姿で。
「あたしの本当に帰る場所へ戻るの。弱かった自分が一番駄目だった。西門さん、優紀の手を離さないで」
牧野はオレを振り返らず、スタスタと歩いて行った。
その先に居たのは、オレの親友が此方を睨み付けてた。
『お前の事はお見通しなんだよ』と言いたげに。



結ばれない想いが、交差してすれ違いになるとは
今迄の三回ルールでなら
軌道修正出来たのだろうなあと、思った束の間
取り返しの付かない日々を思い返す自分に虚しさを感じた





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司が帰国して来る。
オレは不安に感じていた、牧野と一緒に居る事が。
流派を巻き込んで騒動に発展し、特に京都の幹部と茶屋連中がこの時とばかりに派閥争いを起こし出した。
此処に寺院や神宮勢力等絡み、事態の収束が見えなくなっていく。
「総二郎、今は恋愛よりも流派の立て直しだ」
家元は牧野と、オレが付き合ってる事を薄々感付いていたらしい。
今迄は黙認の形だったが、流石に今回は駄目だった。
京都で足止めを喰らって、それからは会えずじまいになってしまった。
流派が一体にならなければ、当たり前の出来事。
政治的な物は普段から、嫌と言う程味わっていた
のにだ。
「分かってる」
「牧野さんを想う気持ちは分からなくはない。が、今はそれ以前の話だ」
派閥の方からは『○○流派との合併で事態の収集』だ、『有力者の娘を貰って立て直しを』と後の事ばかりを考えて来る。
どいつもこいつも自分の保身しか考えてないんだな。
もっと広い目で見れれば、何の事は無かったのだが。
余りにも自分の立場が愚かになって、牧野を守ってやるのが逆になっていたのだろうか。
「こういう時、優紀なら・・どうしたんだろう」
「何で優紀は関係ないやんか」
牧野は不安なのか、あの大きな瞳が潤んでいる。
黒曜石の澄んだ瞳は、オレも大好きな瞳。
「うん、それは分かってる。でもさ、無理してるよ。西門さんも余裕無いみたいだから、心配する」
オレを心配するって。此れでも『F4』の面子と
持て囃された茶道の有力者かよ。

オレは益々余裕が無くなってしまったんだろうか。
茶道の作法は間違っては居ない、完璧にこなしては居る。


併し心に表れるそれは、砂上の楼閣同様で脆くも崩れそうにあった。




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今日は此方をもう1話投稿です。
明日はラストになります。
チャレンジ中ですが、宜しくお願い致します。
オレの親友である『花沢類』が結婚したと、聞いたのは京都で牧野と過ごしていた時だった。
西園寺分家の○代当主、没50年法要の茶会を催したのだが茶会で騒動が持ち上がったのだ。
事の発端は京都の由緒有る、塔頭寺院内で定期的に開かれている茶会だった。
茶器やら和菓子やらも、西門流の名前に恥じない茶会を催したのだが。
正客を勤めたのは、千家筋の長老だ。
其所で出した和菓子、普段から贔屓筋にしている菓子屋(牧野が務めていた和菓子屋)に頼んでいたのだが。
その日出した一つを食した正客が、食物アレルギーによる『アナフィラキーシーショック』を引き起こしたのだ。
茶会は中止となり、正客は緊急搬送される騒ぎとなってしまった。
正客は元々不整脈がちとは、聞いていたものの
まさか食物アレルギーを持っていたとは
認識不足であり起きてはならない事だった。
その日の主人を勤めたオレも弾劾された。
牧野も裏方として参加したが、和菓子屋を代表している存在みたいなものだった。
当然だが、槍玉にあげられてしまうのは仕方ないだろうが。
それでも、故意に出したりを牧野はしない。
「あたしのせいだよね」
「何でだよ」
「西門さん・・何か不安になるよ」
気落ちさせてしまうのが、腹立たしい。
「ゴメンな。牧野は悪くないんだけどな」
牧野と一緒に居たいだけなのに、それは全ての世界からつまはじきにされた感覚だ。
元気印の牧野も、顔が沈みがちだよな。
何せ茶道等の伝統芸能はとにかく閉鎖的な場所だ。
司や類にあきらの実家は、ウチに比べれば未だ其所までのしがらみは無い。
ましてや、女性問題も此処に来て再度燃焼し始めた。
マスコミが面白おかしく書き立てたりする。
牧野の実家にも、パパラッチやらマスコミに雇われたらしき怪しい人物がウロウロしている様だ。
弟らしき声が、スマホから聞こえて来てる。
『分かった。今日はそっちに行かないからさ。』
「牧野、オレのマンションに・・」
「止めとく、西門さんやF4絡みはパパラッチがたむろしてるから」
オレが守ってやりたいのに、牧野はそれを拒絶する。
「守られるだけの女になりたくないの」
「オレは頼り無い?」
「家を守る事に専念して欲しい。その世界でしか、生きられない人を守る事も大事だから」
牧野は茶道には詳しい方ではなかった
彼女もそれなりに守ろうとは必死だったのに
経験不足なのと 畑違いが此処に来て露見してた
何が気に食わないんだよ
牧野の何がダメなんだと

しかし、一度壊れた形は元に戻らないんだな
そんな時に親友の『あきら』から電話が、掛かって来た

「司が帰って来る」
「だから何だよ」
「牧野はオレと付き合ってんだ」
「それでアイツは納得すると思うのか?」
オレは完全な八方塞がりで自分を見失っていった。

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出会う前から 分かってたこと

牧野との一線を越えて、初めて結ばれた
少なくともオレはそう思っていた
華奢で細い身体を抱き締めただけで、折れてしまいそうだった。
が、身体は折れてなくても、心が折れてたんだよな。
牧野は背中を見せたまま、心の中を見せようとはしなかった。
牧野の琴線に触れようとした時、そこに守る物を見た気がした。
牧野は無意識なんだが、心中で守ってたのはオレのダチ達だった。
肉体は貸しても心中は渡さない、と言いながら睨んでる。
牧野・・・お前の心の中には、住んでるんだよ。
表面は別れていても、牧野の心を守ろうとする。
何でだよ 牧野は別れたと言ってるし、全く匂わしても居ないだろうよ
牧野とは茶道以外でも レストランで食事をした
西門の家で懇意にしている ホテルにも連れて行く
映画を見たり 絵画や美術館でデートをした
リゾートのプールで誰も居ない場所を貸し切
ったり
茶道も抜かりはせず 牧野の為に振り袖を一揃え
送ったりもした
京都の本邸でデートを重ねては
幸せな時を過ごしたりもした
牧野と本邸から見た『送り火』には
燃え上がる自分達の想いを象徴するみたいで
しかし上がると言う事は、下がるしかないんだ
牧野に溺れて行く事で オレは知らないうちに
自分達の季節を失って行く事に恐れていた
オレの身勝手な想いは 彼らを傷付けて出来た
しょせんは自己中心な想いだから
長くは続かなかった


今日は2話、アップになります。
そうせんと、もう一つのお話が始められんのよ←。

来週はもう一週、総誕企画で『総優』をアップします。
『つかつくは?』・・ありません(暴)。
が、下書きはするwww。
是非、叱咤激励のポチをお願い致します。

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