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ワインを注文してから、肉料理やサラダをシェアしながら私達の話は必然的に恋バナへと変わって行く。
「そもそもよく道明寺さんが、許可下さいましたね」
「私もそれは思ったの。つくしもレッスンきついんじゃない?」
道明寺の家に通いつめから、現在は下宿みたいな形で花嫁修業に邁進するつくし。
高校生活もラストだし、勉学も大変なのに。
以前バイトしていた和菓子屋は、私のみしかやっていない。
多忙なつくしには道明寺さんとの婚約を念頭に置き、今は時間が空いたらNYへ行く事もしばしばだから。
「優紀、この間の人相見には失礼しちゃうよね」
「つくしが凡庸の話?あれは分からなくないかも」
「あんた何気に、失礼じゃない?」
「あたくしも、優紀さんに同調しますわ」
「どうせね、あたしはガサツですよ」
「そのガサツな先輩を好いてる、道明寺さんがよく分かりません」
「牧野様。立て食う虫にも好き好きと、ありますよ」
「麗子さん、あたしに恨みありますか?」
「いえ、西田さん程では・・・」
「まぁその話は追々ね。今日は関係無いから」
つくしは延々続きかねない不毛な会話に、自分から釘を打ち込んでた。
自分の暴露大会になりかねないし、今日は私の付き合いだから。
「優紀さんはお夕食って、外食なんですの?」
「最近はね・・・。元々、最近も会話らしい会話も無いんだ」
桜子さんは私の顔を、マジマジと覗き込んでる。
私の顔何か変なのかしら?
「優紀さんて誤解されてます?」
「家族・・母からは、最近目の仇にされてるの」
私はかいつまんで、桜子さんに話し出した。


「前嶌家のご出身なら、曾祖母様は凄い方だったのですね。その茶道の師範代を、あたくしは存じ上げてましてよ」
世が世なら、私は桜子さんに匹敵する身分だったとか。
「そんなに凄いんだ?エロ門さんとは違うんだ」
「西門さんの家と、同格だったんですけどね。御家騒動で廃れてしまったんですよ。よくある話ですし。西門さんは家元夫人が、厳しいので有名です」
御家騒動で、曾祖母様は世間を避けてたのね。
私がもう少し力あったなら、と思うのだけど。
「優紀さんが高貴な方と言っても、可笑しくはないですよ。何かを惹き付ける力は有るのですから」
私は高貴も庶民でも、全然興味が無い。
茶道の雰囲気が好きなだけ、詫び錆びの真髄を知りたい。
曾祖母から譲り受けたお茶碗を、大事に使いたいだけ。


なのに私の家族は、何時も口を開けば『此れを売れば生活が楽だ』『貴方を特別視する、周りが分からないわ』と棚に上げて話をする。
つくしには言わないけど、こういう人達と戦って来たつくしを尊敬する。

「つくしはパワフルだよ」
「今更どうしたの?優紀」
「色々有るとね、何かね・・・」
私はワインクーラーを、ずっと凝視していた。







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自転車に鍵を掛けて、駅前近くのファミレス駐車場に向かうと。
目立たない国産車が、停車している。
「つくし来てくれたんだわ」
カウベルを鳴らしながら、ファミレスのドアを開ける。


つくしのSPらしきパンツスーツの女性が、私を見つけて先導してくれる。
「牧野様がお待ちでございます。案内致します」
「それはどうも、ご丁寧に恐れ入ります」
奥の個室へ私を案内した。
女性は土岐田麗子と名乗り、つくしの側に着席した。
優紀「つくし、遅くなってゴメンね」
つくし「なんの。もうすぐ、桜子も到着するわ」
優紀「桜子さん?」
聞かない名前を告げられて、SPの麗子さんとあたしは困っていた。
つくし「あたしの後輩で、桜子を呼んでるから」
麗子「牧野様、もしや三条家のお嬢様・・ですか?」
優紀「ファミレスよりは、レストランの方が良かったんでは?」
あーあ、名家のお嬢様をファミレスになんて。
変な所でつくしは庶民ぽさを、出そうとするのよね。
桜子「どうにも落ち着かない場所ですわ」
私が到着して間もなく、桜子さんが到着したみたい。
優紀「何か申し訳ないです」
私はいたたまれなくて、小柄で綺麗な女性に最大限のお辞儀をした。
桜子「お初でお目に掛かります。三条桜子です」
優紀「松岡優紀と言います」
桜子「先輩がお腹を空かせてるでしょうから、早く席に着きましょう」
つくし「ちょっと、あたしも優紀に誘われたんだから」
桜子「先輩はどちらでも、よろしいんでは?」
桜子さんは毒舌気味なのかしら、つくしもたじたじみたいだし。
でも名家のお嬢様だって、分かるのよね。
こんな安いファミレスなんて、何か失礼だったかな。
桜子「初めてファミレスに来たんですけど、レストランの方が落ち着きますね」
貸し切りにする様なお金持ちの方には、似つかわしくないよね。
つくし「優紀、又お母さんと喧嘩になっちゃったの?」
つくしが顔を覗き込んで尋ねる。
優紀「今に始まった事じゃないんだけどね」
つくし「お姉さんが出戻りしてから、風当たりきつくなったよね」
優紀「甥っ子を可愛いがってたから。裁判所からも通達来たし」
姉をストーカーしてる、と訴えて親権を取り上げた元夫。
挙げ句には賠償請求されて、裁判沙汰になって結審したら散々だったわ。
何とか子供に会う権利を確保はしたが、半年に一度だけ。
ましてや再婚したらしくて、中々会えないから母の当たりは半端無し。
再婚相手は裕福な家みたいで、甥っ子達にも親切みたいで。
しかしながら元夫と、姉は修復不能なんだとか。
つくし「優紀のママと、ママは似た者同士だよね。只、優紀のママはキツイよね」
麗子「牧野様も苦労なされたのですね」
桜子「身分違いの恋愛と不倫は、何時の時も盛り上がるものですよ」
つくし「あんたが言うと、洒落にならないんだけど。確かにそうだわ」
着席したつくしは、桜子の発言にたじろぐばかりだ。
桜子「此処は先輩の奢りですよね」
つくし「だからあたしは・・・」
麗子「牧野様。お支払いはお任せ下さい」
肝心の当事者は置いてきぼりで、つくしと桜子の掛け合い漫才は未だ続いている。
母親との対立に行き場の無い優紀には、その場しのぎとは言えファミレスの空間すら心地良かった。
麗子「取り敢えずはワインを注文して置きましょうか?」
SPの麗子さんが、ワインをボトルで注文した。
レストランの貸し切りは、私の範疇では及ばなかったのよね。
ファミレスが貸切状態になっていたのを、私は後日つくしから聞いて驚いた。

何もかもが、規格外過ぎてつくしには驚かされる私だった。



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「ただいま~」
「あら、優紀さん。随分、ごゆっくりな帰宅ね。昨日もだけど先輩の方達とそんなにお話盛り上がるなんて」
母は私の交友関係を、勘繰る様になってきた。
仕方ないよね、いつぞやのつくし一家の争いに巻き込まれてからは尚更。
「別に気にする事?お母さんに関係有る?」
「貴女の友人が有名人だからねえ。ならば、慰謝料でも請求しといた方が良かったわね」
曾祖母と遺産で揉めてからは、尚更我が母には愛想を尽かす。
私は財産よりも、曾祖母との思い出の品物や時間を忘れたくないだけなのに。
つくしじゃなくても、余りに俗物的な考えが嫌になるわ。
「お夕食は自分で用意して頂戴」
違う意味で家族とは、すきま風が吹いている。
階段を上がり切ると、私以外の家族は団欒話を咲かせていた。
「出掛けて来ます」
家族からは反応無い・・私は、鍵を仕舞い込み、ママチャリを漕いで向かう事にした。
駅前のファミレスで、つくしと会う事にして。
LINEを送信した。
つくしが道明寺宅のSPさんと、駆け付けてくれると返信が来た。
私はひたすら、自転車のペダルを力一杯漕いだ。
家族と言ったとて、『金の切れ目は縁の切れ目』
もう私の存在て何なのかしら。
あれは何時だったかな?
つくしと駅前にショッピングへ、出掛けた時だったかな。
確かつくしが、道明寺さんのお姉さんに呼ばれるからその時の服を見に付き合った日にちだった。
私は茶道具の即日展示会を見に行った日だから、覚えてるんだ。
二人で話しながら歩いていた時、かなり年季の入った行灯を焚いて茶色の頭巾を被った『人相見・手相見』の男性が目に入った。
ひたすら瞑想する男性につくしは、『あんなの相手にしなくていいの』と現実的な反応を示した。
「どうせ、この辺りのインチキ占い師よ」
小声で話すつくしに、私は目線で『そうよねえ』とコンタクトを交わしたのだ。
占いの男「そこな二人の無礼な女衆よ、御主達の声は聞こえておる」
つくし「あれ?あたし又、言ってたっけ」
優紀「ううん、今日は大丈夫よ」
何時もなら、つくしの心の声がダダ漏れするんだけど。
今日は平気だし、聞こえても居ないのに。
占いの男「御主」
優紀「はい、私ですか?」
占いの男「御主は貴人の相を持っておるな。生まれながらの、姫御前の貴相だ」
つくし「いやいや、優紀は普通の高校生だし」
占いの男「御主は普通であるが、この娘は並の女性で終わる者ではない。世が武家の時代なら、姫君の人相だ」
優紀「はぁ、それは・・・どうも」
占いの男「御主の家系に、姫君がおるのではないか?」
優紀「さぁ、それはちょっと」
その場しのぎにごまかしてみたけれど、亡くなった曾祖母の事だと思った。
私のそれを見抜いていたのかしら?
今は亡き曾祖母を偲び、茶道具を買い揃えて献茶を供えたいと心から思ったのだけど。
又、家族と揉めるのかなあ・・・私は。
何だか複雑な心中の私だった。




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書いたんが、春の頃に付き時節柄が会わず申し訳ありません❗


「家元夫人て迫力が違うわね。オーラが半端無かったわよ」
先輩達と私はバイト先近くの純喫茶店に入った。
『ド○○ル』や『PR○○TO』では、同じ学校の生徒も居るから。
気が楽だし、喫茶何処よりは落ち着いて話が出来る。
西門家元夫人のオーラや佇まいに、すっかり圧倒された三奈先輩と私。
私は睨み付けられて、あの場でいたたまれなくなってしまった。
気付いてないフリしてたけど、私何かしたのか記憶が朧気だ。
まぁあの類いの店は今後の縁が無さそうだから、寧ろスッキリした。
親友のつくしなら、ありそうだけど。
つくしとは、私の幼稚園からの大親友の『牧野つくし』。
高校から別になったけど、ひょんな事から大企業の御曹司と付き合う事になったみたい。
私は一度だけ市中で会った事が有るのだけれど、それはケンカしてつくしが行方を眩ました時。
車に乗り物々しいBGを、引き連れて驚いた。

私が何時かWデートをした時に、覚えていたからなのかしら。
『牧野が行きそうな場所は分かるか?』
つくしは性格に頑固一徹なとこが有るから、分からなくはない。
彼氏?の『道明寺』さんは、私の印象では寧ろびっくりしたのだけど。
彼は選り取り見取り、それでもつくし以外の女性は皆一緒と言ってたから面白いの。
つくしも一度臍を曲げると、大変なのも昔から知る私には笑えるのよ。
三奈「家元夫人て京都の女性でしょ。お高く止まってるから、怖く感じるよね」
京女は怖いし、癖が有るのは有名な話。
三奈先輩はトラウマに、なってしまってるみたい。
サラ「あたしは昔から知ってるから何とも思わないよ。ああいうお家、伝統芸能系統は躾も厳しいしね」
三奈「優紀ちゃんもそう思う?」
優紀「えっ?そこで聞いてきますか?」
三奈「だってさあ、付き合う彼氏のお母さんがああだったらねえ」
優紀「いや・・・あの・・私は」
サラ「何?優紀ちゃんも、ジローに会ってみたいの?」
いや、何も言ってないんだけど。
家元夫人の睨み付けレベル、亡くなった曾祖母の礼法に比べたら・・・ってとこかな。
私の母方の曾祖母は、良家の華族出身だったから母と仲が悪かった。
母は礼儀作法だ、マナーには執着しない。
『結婚して苦労した挙げ句に、離婚したらたまったもんじゃないわよ』
その具体例を出して迄、一々突っ掛かって来る。
姉は結婚したものの、家風が合わなくて離婚して戻って来た。
子供は居るもの親権も取れずじまい、戻って来たから母の私への風当たりは殊更強い。
姉の子供は遠方に住んでいるから、尚且つ簡単には会わせて貰えそうにないみたい。
孫可愛いがりを取り上げられた母は、私の存在を更に疎ましく思ってる。
私は筋が偶々良かっただけで、本当に何もないのに。
今も母は珠に話を持ち出して来る。
『あの楽焼茶碗があったら、私達はセレブ暮らしになれたのに』
つくしのお母さんの事、言えないわよ。
恥ずかしくて私は一人で、赤くなったりしていた。
変な事に勘繰る三奈先輩や、サラ先輩からニヤニヤされながら肩を叩かれる。
サラ「あら、ジローに会ってみたいんだ?でも、女性が日替わりメニューだけど?」
三奈「やっぱり優紀ちゃんは、目の付け所が違うわよねえ」
私の事は置いてきぼりに、二人は話に花を咲かせていた。
私の心中とは違って、空模様はからっきしの乾燥がちな晴れ模様。


平和な日常が、私には遠く感じられた。



久々の更新となります。
昨晩はアップしようとしたら、胃痛で悲鳴上げて又しても0時更新出来ず(T_T)。
寒いからなんか、体調管理が出来てないんかも。
年は取りたくないですねえ(笑)。

総優なのに、総二郎が出て来ない←。
総二郎は後、10話は出る予定が未定。
元に書いたお話の続編で、短編の予定です。

つかつくは未だ肉付けが、終わってないんですみません😣💦⤵️。
下書きは出来てんけどね。

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暫く止まってましたが、総優になります。
つかつく以外、アウトな方は閉じてくださいね。


私と三奈先輩に更先輩は、都心では見られなくなった甘味処『源絹之屋庵』に来ている。
此処は本店が『京都』にあって、茶道の流派からの贔屓も多い有名なお店。
が、サラ先輩は此処でも顔馴染みとあって。
三奈先輩と私は、驚くばかりである。
季節の和菓子が、一つで500円以上はザラなのに。
店主が『サラちゃんには、御世話になってるからさ』の一言。
色とりどりな和菓子を、重箱に詰めて風呂敷包みしてくれてる。
「凄いわよねえ。此処って、千家筋や歌舞伎関係でも御贔屓って聞いてるわ」
三奈先輩は、店内のディスプレイに釘付けとなっている。
「だって、店主を紹介してくれたのはジローなのよ」
「でもなければ、此処は敷居が高過ぎるわよ」
私ですら気後れしてしまう。
「いらっしゃいまし、お待ちしておりました」
私達の後ろにやって来たのは、西陣織を普段着に着こなす貴婦人の様な女性だった。
「明日使いはるお菓子を、取りに来たんですの」
風呂敷包みを持参し、後ろに付き添って居るのは使用人なのかしら。
私達の住む街の奥は、『高級住宅街』で知られる『松涛』との境に近い。
「凄いよねえ。あれって、セレブ夫人でしょ?」
三奈先輩は珍しいのか、口元を抑えながら小声で話し掛けて来る。
「伯母様。お久しぶりです、サラです」
チラと見た貴婦人らしき女性が振り返ると、キツい目線を少し緩めていた。
「サラさん、ごきげんよう。こないな場所で、道草であらしゃりますか?」
「いえ、利休忌の打ち合わせで・・・」
「あら、そうですねえ。早いわねえ、もうそんな時期になりまして?」
「はい。ジロー・・じゃなかった、総二郎さんがお稽古頂くんです」
「あの子は昨日も、朝帰りでしたのよ」
「お付き合いも有るんですよね」
「どうだか。いい加減自覚をお持ちに・・・」
と、貴婦人が更に良い掛けた時。
『家元夫人・・お時間が』
と、初老の男性が声を掛けて来た。
「そうね。では、此方へ届けてくれるかしら」
「かしこまりました」
店主は恭しく、最敬礼に頭を下げている。
貴婦人は男性と共に、店内を後にした。


その貴婦人は、何故か私の方を一瞬チラリと見ていたのだけど。
私は先輩の後ろで重箱の和菓子に見とれて、全く気付かなかった。


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