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話はつくし達が、メープルへ来た前に遡る。



『ホテル・メープル』にある漆黒塗りの立て看板。
金箔の様な鮮やかな文字色。
『本日の団体宿泊御一行様』なるを記載してある。
その隣は『西門流・春期茶会会場・柊の間』なるお誂えの看板。

その看板を囲み、華やかな振袖やワンピースに身を包む女性達がインスタにアップしようと自撮りに勤しむ。

因みに西門流の茶道は、複数の流派が茶道を催す予定だ。

立礼式は初心者でも参加可能。因みに会費は、それでも10000円である。
正客を呼ぶ方は、相場に習って十万円である。
しかしながら、『ホテルメープル』で十万ならば安い方だ。
茶会であるが当然ながら、立礼式の方にしか一見さんは入室不可能な催しだ。
懐石料理を含めても、此れでかなり安い。
次期家元である『あのF4』の一角が、主人を勤める。
それで十分話題になるのだ。

主人役の総二郎は、かったるそうな欠伸で肩を回している。


総二郎の正客を勤めるのは、『花岡清庵』である。
この女性『華道界の次期女帝』だが、大層な美女で経済界や政治家との繋がりも深い。
華道花岡流の当主に一席もてなすのだが、総二郎は気が重い。

妻の優紀が仏門修行期間中で、気が立っている。
にも関わらず数日前に、彼女は妊娠が発覚したから尚更だ。

女性との交際は、ほどほどにしていても長年の習慣は改められない。


優紀はつくしとは、先日に会っている。
『パンケーキを食べに行かないか?』と、つくしに誘われた。

優紀もスイーツは大好きだ、妊娠してなければ一緒に行っていた。
その次期家元夫人、女としての楽しみよりも『亭主を懲らしめたい』との思惑がある。



司はつくしが中々捕まらない事に、イライラが収まらず今日も執務室はシベリア並みの冷気に包まれている。


昨日も営業部からの見積りトラブルで、社員の一人がバクーに飛ばされている。
「西田、牧野の行方は未だ分からないのか?」
まさかメープルで、スイーツを食べて居る事は流石の西田も知らない。
先日司がSPを付けていた事に、つくしに嗅ぎ付けてからは『別れるから、探さないでよっ』と担架を切られてしまったばかりだ。

秘書軍団は思った。
御曹司の過剰なつくしへの嫉妬心さえ無ければ、とは口から出かかっている。

併し秘書軍団もSP集団も、失業すれば只の無職である。
人によっては、住所不定迄付きかねない。
世知辛いこのご時世に、失業は避けたいところだ。



ペアンのお話を整理していましたが、メド立たず此方を引っ越ししました。

短編で不定期ですが、宜しくお願い致します。
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昨日に引き続きまして、『Rondo room』のrondo様からの続きになります。
さて、つくしの運命や如何に?

「お迎えにあがりました」

迎えの車が、約束の時間にマンション前の道路に横付けされた。
つくしでも一度は見た時のある有名なエンブレムに、高級な車だとわかる。
黒いスーツの男性は、礼儀正しく丁寧な挨拶をし、つくしを車まで誘導してくれた。

たかがパンケーキの試食をするだけなのに、気分はまるでどこかのパーティーへ行くようだ。
普段着じゃあんまりだと、沢山食べてもお腹がきつくならない様に、この前バーゲンで買ったばかりのワンピースを着たが、それでもこの車には不釣り合いだ。

「今から行く場所は都合上秘密ですので、携帯電話はお預かりします。ご心配なさらなくてもお帰りの際はお返ししますので。目的地へ到着するまでの間、外の様子は見れませんが、全ては製作上の都合ですのでご心配なさらず、ごゆるりとお過ごし下さいませ」

車に乗るなり、唯一の連絡手段は無くなり、ガチャと音がしドアがロックされ、あっという間に運転席との間に壁が現われた。
窓はスモークガラスなのか、話の通り外の景色が見えず、あっという間に個室になってしまった。


新製品の試作だから、同業者に知られちゃいけないから、ここまで用意周到にしてるんだ。
大変だねぇ、試作品作りは。もし、ライバル社にばれたら大変な事になるもんね。
こんな時でもお気楽なつくしは、様子がおかしいとはまだ気付いていない。
頭の中は、パンケーキが一杯で、危ない、怪しいは、甘い話に追いやられた。


つくしを招待した主は、用意周到だった。
追いかけて来たSPの乗った車は、他の車の妨害に遭い見失う羽目に遭った。
該当の車はナンバーを調べられても、架空の番号で所在者を調べる事は不可能だった。つくしのスマホは電源は落とされGPS機能は働かない。

すぐに報告をされたが、この日からつくしの行方はわからずじまいになってしまった。
部屋にあの封筒が残されていれば解決の糸口になっただろうが、その封筒持参と書かれていた為、つくしのバックに大事に入っている。
まるで神隠しにあったような、今の時代に信じられない出来事が起きてしまった。





車が目的の場所に到着したようだ。

運転手によってドアが開かれると、お疲れ様でございましたと恭しく外へと導かれた。
どこかの世界に紛れ込んだような、見た時のない荘厳な建築物が目の前に建っている。周囲は木々に囲まれ、辺りの様子はわからない。

「どうぞ、こちらでございます」
導かれるままに、エントランスへと足を進めた。

ゆっくりと重そうなドアが背中越しに閉まる音が聞こえた。
建物の中は荘厳な雰囲気で、粛然とした空気が流れ、別世界に迷い込んだよう。
まるで、今までいた世界と遮断されたような、そんな感覚を覚えた。
その場に立ちどまり、辺りを見回していると、いきなり声をかけられた。


「ようこそ魔王城へ」
目の前に現れた人は、茶色の瞳をした妖しい笑みを浮かべた黒い服を纏った若い男性だった。

「あなたは...」
つくしが驚くのも無理はない。
なぜなら、迎い入れた男性は、あの時の彼だったから。

「くすっ。また会いましたね、つくしさん」
「なんであなたが....」
「私がお誘いしたんですよ。貴方を美味しく食べたくてね」
「....はっ?」

つくしは、一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
口をポカンと開けて、静止したようなつくしに、彼はくくっと笑い出した。

「凄く美味しそうですね。苺みたいな唇に、クリームのような白い肌」
「.....あの...パンケーキの試食会ですよね」
「ええ、そうですよ。くすっ。きめ細やかな肌のパンケーキを美味しく頂きますよ」
「そ、そうなんですか」

何か変だ、この人。
さすがのつくしでも、おかしいと思った。
(何か一足ずれてますやん)

聞き間違えじゃなければ、貴方を美味しく食べたいとかなんとか。
まさかね、試食会にはあたし以外にも招待されてるんだし。
やっぱりあたしの聞き間違いで、ただの試食会だと思いたい。

「申し訳ない、お客様を何時までもこのような場所に立たせたままで。どうぞ、こちらの部屋へお入りください」
「は、はい」

優雅な振る舞いで腰に腕を回され、紳士的なエスコートをされたつくしは、場の雰囲気に呑まれたせいで胸がどきどきしてきた。
たかが試食会だと気軽にきてしまったけど、場違いな気がする。
本当にこの場所で、パンケーキの試食会をするんだろうか。

通された部屋は、ロココ調に統一され、彫刻が施された白いセンターテーブル、座り心地が良さそうなゆったりしたカウチとサイドテーブル。
続き部屋があるらしく、開け離れたドアの間から天蓋付きのベットの一部がちらりと見えた。

「あの...他の皆さんはどちらにいらっしゃるんですか?」
「今日は、つくしさんだけですよ」
「えっ?だって、試食会ですよね?」
「えぇ、そうです。それが何か?」
「この前のパンケーキフェスタに、参加した人を招待したんじゃないんですか?」
「しましたよ。だからつくしさんがいらしてるんですよね」
「まさか、あたしひとり?」
「選ばれたのは、ひとりだけ。そのほうが、ゆっくりと味わうことが出来るでしょう」
「でも、テーブルの上には何もありませんけど」
「今から準備を始めます。出来たてを召し上がって貰いたいですからね。その間、自慢のローズのお風呂はいかがですか。余計に美味しく頂けると思いますが」
「けっこうです」

断ったのに押し問答の末、相手の口には勝てなかった。
あたしは薔薇の花が浮かぶ、猫足のバスタブに浸かっていた。
初めて入る憧れの猫足のバスタブに、真鍮のシャワーヘッド、アンティークな蛇口に興奮し、ローズの香りがリラックスさせる。
肌がほんのりピンク色に染まり、身体の奥の方からじわりと熱が帯びて来た。少し頭がぼーっとする。

いけない、調子に乗り過ぎて長風呂をしちゃった。
服を着ようとワンピースを捜すが、どこにも見当たらない。なぜか下着まで消えていた。代わりにシルクのローブと、レースのショーツが置かれていた。
さすがに裸では出れないとそれを纏い、恐る恐る部屋に戻ると、丁度いいタイミングでワゴンを押しながら彼が部屋には行ってきた。

「グッドタイミングだね」
「あの...あたしのワンピースは...」
「あれ、もう着ないでしょ。せっかく身体を綺麗にしたのに」
「えっ...でも、これじゃ落ち着かないし」
「大丈夫、すぐにそれも必要なくなるよ」
「どういうこと...ですか」
「だって、これから試食会だよ」

つくしを見る男の瞳は、獲物を捕まえようとするライオンのようにきらりと光った。
お預けを食らいすぎたライオンはもう我慢出来ないのか、口角をあげて今にも食らいつきそうにじわりじわりとつくしを追い詰めていく。

「なにを...するき..えっ...ちからが..」
つくしの身体の力が少しずつ抜け、立っているのも辛くなってきた。
薔薇のオイルには、速攻性の媚薬が混じっていた。

「思ったより早い効き目」
「なにを..したの?」
ぼっとする頭のつくしは、自分に危険が迫っているのを初めて気づいたが、もう遅かった。
(いよいよ、その時間が迫って来ましたwww)

「くすっ。そんな顔をしなくて大丈夫。丁寧に優しく仕上げてあげるよ。つくしは、全てを任せてされるがままになっていればいいよ」

そう言うと、つくしを抱き上げると、テーブルの上に横たえた。
「魅惑のパンケーキのレシピを教えてあげる」
麻痺した身体は、抵抗など出来るはずもなく、怪しく笑う男に見下ろされ恐怖を感じる事しか出来ない。

「まずはパンケーキにクリームを塗らなきゃね。
フルーツは何が好き?勿論、チョコレートシロップは仕上げにたらしてあげるよ」
「やめてっ。お願い」

つくしが願っても、もう試食会は始まってしまった。

だって、スイーツは地獄の味だから。
君はそれを願って、ここに来たんだろう。

今宵、魔王城では、地獄のパンケーキが美味しく頂かれた。
それは、明日も明後日も、トッピングを変え続いていくだろう。

Fin


(トッピングから、食する人間はお怒りの坊っちゃんwww)

近日公開予定?出来るかな?

素敵なお話を、有難うございました。



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『Rondo room』のrondo様からの頂き物になります。


魔王様(類)シリーズで、まさかの駄作が名作に生まれ変わりました。
毎回のお約束ですが、CPが駄目な方は退散をお願い致します❗



つくしの住むマンションの郵便受けに、1通の白い封筒が入っていた。
宛名は、牧野つくし様
差出人の名前は書いていないが、黒い羽根のようなモノが刻印されている。

「何だろう、これ」

誰から届いたかわからない。
でも、自分の名前が書いてあるから、間違いなくあたし宛。
黒い羽根のような刻印に、なぜか得体のしれない恐怖を感じる。

こんな時、あいつに相談したほうがいいんだよね。
でも、手紙が届いただけで大騒ぎをするのもなんだし。だって、あいつは世界中を飛び回ってる。
こんな話をしたら、無理言って仕事を放り投げて帰って来る。
あいつの我儘で周囲に迷惑をかけたくない。
でも、後で知られたら絶対に怒られる。
なんでそんな怪しい手紙が届いたのを、教えなかったんだって。
(今更、何言ってるんやら)
いや、ダメだ。
あいつと大喧嘩中だった。
こんな状態で相談できるはずもなく、あいつだってあたしの話を聞きたくないと思う。
だって、あの日以来、一度も連絡がないもの。

あたし達、やっぱりダメなのかなあ。
顔を合せれば喧嘩ばっかり。
やっぱり相性が悪いのかもしれない。
(身体の相性は悪ないのにねえwww)

よくよく考えれば、2人の共通するものが見つからない。
超セレブと庶民、超お金持ちとド貧乏、超美形と普通顔。
これだけでも、正反対かって言う程合いもしない。
せめて、食だけでも合えばいいのに、あいつは甘いものが大嫌いで、スイーツ大好きのあたしとは話が合わない。

この前も、ホテルの特別企画、パンケーキフェスタの招待券をゲットしたから誘ったら、速攻断られた。
「そんな甘いのは食いたかねぇ、おまえもわかってるだろうが。第一、そんな場所にほいほい行く男がいるかよ」

わかってたけど、少しは期待したんだよ。
一番人気は、クリームチーズと生ハムが添えられた塩味のパンケーキ。
これなら、同じパンケーキを食べれると思ったから。

この日、優紀を誘ったけど用事があって無理で、桜子も忙しくて、仕方ないからひとりで食べに行った。
最初は寂しかったけど、一人で来てる人もいるんだね。
いたよ、目の前にほいほい来た男が。

向かいのテーブルの若い男性は、美味しそうに食べている。
時々目が合って、にこりと笑顔を向けられたから、あたしも微笑み返した。
だって、幸せのパンケーキは、どんな人をも笑顔にするでしょう。
あの人も、美味しくて幸せになれたんだろうね。



喧嘩のきっかけは、毎回同じ。
あいつは、あたしがここに住むのが気に入らない。
心配なのはわかってる。でもね、こんな部屋でもあたしにとってはお城なの。

「だから言っただろうが。俺んちへ引越ししろって。こんなボロ家に住んでるから危ない目に遭うんじゃねえか」
「ボロ家じゃないわよ。マンションよ」
「マンションだと?オートロックもついてない2階建てのマンションがどこにある。マンションって言うのは、24時間コンシェルジュが常在して、エントランスから住人以外は入れねえもんだろうよ」
「コンシエルジュならいるわよ。24時間常駐してるし」
「何がコンシェルジュだ、お前の住むマンションは下の部屋に住むくたばりぞこないのババアがそうなのか」
「ババアって失礼じゃないの。大家さんでしょうよ。だって、今時こんな破格の値段の部屋はないの。それに、あんたんちはお邸じゃない。嫌よ、あんな豪華な部屋じゃ落ち着いて寝れないわよ」
「邸が嫌なら、部屋をすぐに用意してやる。世間の知るマンションってのを」
(それを言うなら、億やんな。タワマン最上階)
「それもいやっ。あんたの選ぶマンションはセレブだけが知ってる建物で、世間一般じゃ知らないわよ」
(いや、最近は一般人も知ってるわいな)

ついこの前も、引っ越せ!嫌だ!の大喧嘩をしたばかり。
喧嘩の理由は、些細な事だった。
何気なく、しつこい新聞の勧誘を撃退した話をしたら、おまえは隙がありすぎる、少しは危険を察しろ、最後にはお決まりのこんな危ない部屋に住んでるのが悪い!
分かっているよ、あいつがあたしを凄く心配してるのは。
でも、この日は、何時もの喧嘩で終わらなかった。

あたしの思うお付き合いは、あいつの住む世界では通用しない。
気軽にデートするなんて無理、だって仕事に翻弄されてるあいつにはそんな時間はないから。
あいつと付き合うのは、覚悟がいるのはわかってた。
でも、知れば知るほど、あいつの世界に足を踏み入れる自信が持てない。
1歩前に進むだけなのに、足が動かない。

まだあたしには、戦える武器も気力も覚悟さえないから、一緒にいたら足を引っ張ってしまう。
もう少しだけ、時間が欲しい。もっと自信をつけたい。
あんたに甘えたら、あたしは何も出来なくなる。

そう言ったら、あいつは呆れた顔をして、大きく溜息をついた。
(うん、確かに)
「おまえは、全然わかってないんだな。甘えりゃいいだろうが、なんで一人で頑張ろうとしやがる?武器がない?気力も覚悟もない?それが俺とどう関係があるんだ。俺が一緒に居たら、ダメなのか、おまえは何も出来なくなるのか?
甘えるってなんだ。別に俺はおまえを甘やかすつもりはねぇ。
いい加減、覚悟を決めろ。時間をやる、俺が戻ってくるまでに荷物を纏めておけ。本当は今すぐ邸へ連れて行きたいが、おまえは絶対に反抗して逃げ出す。
だから、ちゃんと自分で始末をつけろ。言っておくが、1週間後には即引越だからな」
「なにそれ。命令じゃない。要は何が何でも引っ越しをさせる気なのね」
「ぐちゃぐちゃ言ってんじゃねえ。あ~面倒くせぇ女だな。おまえの気が済むまで待っててやろうと思ったけどよ、気が変わった。戻って来たらすぐ婚約してやる」
「何言ってんの。いきなりそんな事を決めないで」
「おまえはそうでもしないと、俺の言う事をきかねぇだろ」
「なによ、そのしてやるって上から目線は。引越させる為に、無理矢理婚約してもらう必要はないわよ。ほんと、俺様なんだから」
「うるせえ、黙っていう事を聞け。ほんと、こんな我儘女見た時ねぇ」
「それならもっと大人しい従順な女性を見つけなさいよっ!」
「あぁ、見つけてやるよ。おまえとは違う素直な女を」
「これであんたとは終わりだからね。もう連絡してくるなっ」
「あぁ?ざけんじゃねー」

売り言葉に買い言葉。
その後は、あたしは無理矢理あいつを部屋から追い出して、ふて寝した。

これって別れた事になるのかな。
よくよく考えたら、あたしは悪くない。
従順な女を見つけたらいいじゃない、どうせあたしは素直じゃないし可愛げもない我儘女だよ。
(ベッドの中は素直なのにねえ)
なんだか疲れた。
こんな時は、甘いスイーツで癒されたい。




そんな時に、届いた手紙。
開封してみなきゃ、どんなのかわからない。
目の前に置いた封筒を暫し睨んでいたが、好奇心に勝てなくて封を開けると、中には1枚の手紙が入っていた。


パンケーキ試食会のお誘い

当城は、新しいスイーツ開発に、魅力あるパンケーキを試作中です。
フローラルホテルのパンケーキフェスタにご参加されましたお客様に、是非とも試作中のパンケーキを試食して頂き、感想とご意見をお伺いしたく案内を出させて頂きました。
当日は、パティシエによる魅惑のパンケーキレシピを丁寧にお教えします。
甚だ勝手ではございますが、是非お力をお貸頂ければ幸いです。
試食会後、それ相当のお礼をさせて頂きます。
当日、お部屋までお迎えに参りますので、宜しくお願い致します。
尚、この試食会は招待状を送らせて頂いた方のみのご参加になります。
くれぐれも口外なさらぬようお願い致します。


なにこれ?パンケーキ試食会?
当城って、新しいパンケーキ専門店でも出来るのかな。
試食会って言うくらいだから、何人ものパンケーキ通が誘われてるんだろうね。
だって、このあたしにもお誘いが来るくらいだから。

パンケーキは、最近のあたしの一番のお気に入り。
生クリームをこんもり乗せて、チョコレートシロップをかけて食べるのが好き。ベリージャム、ごろごろブルーベリージャムも美味しい。勿論、生クリームに添えられた沢山のフルーツは宝石箱をひっくり返したみたいにキラキラ輝いてる。
この前食べた塩味のパンケーキは絶品だった。
あ~、思い出したら、凄くパンケーキが食べたくなってきた。

行ってみようかな、別に危ない話じゃなさそうだし。
お礼にお土産にお菓子でもくれるのかな。
そう言えば、あの人もこの試食会に参加するのかなぁ。パンケーキフェスタの参加者が誘われたみたいだし。
あの彼、王子様みたいな素敵な人だったわよね。
同じパンケーキを食べてるのに、彼が食べてるのはとても高貴なものに見えた。
人を惑わすパンケーキの不思議なんだろうか。

元々、人を疑う事を知らないつくしは、誰にでも優しくて、困った人を見れば進んで人助けをするし、自分が出来る範囲の協力は惜しまない。
それが長所であり短所でもある。
それを心配した男は、何時かとんでもない目にあると危惧をしていた。
だから自分の側に置こうと、何度も引越を勧め、最後に切り札の婚約を出した。

そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、つくしは自ら危険な道へ進もうとしていた。
つくしは知らないが、常時SPが付けられていた。
だから、油断していた。
パンケーキがもたらした、甘い罠を。


後編は明日の土曜日になります。
もしかしたら、この話の後に『つかつくお仕置き編』・・・は有りませんようwww。


『お仕置き編』リクエストは、無いと思うんですが。
『読みたい』と言うお声、有りましたら⁉️是非ともポチでお声を聞かせて下さい。

宜しくお願い致します。


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太陽が沈み掛け、ランチタイムはディナーに突入する時間となった頃。
よそよそしかった筈の二人は、一線をめでたく?越えられた事で変化が見えて来た。
絡まって切れそうになった糸が解されて、しっかり繋がれたとでも言うのか。

パンケーキを食べた、事もうろ覚えで怪しい。
着衣は身に付けていない。
片手を額に当て、考えてみる。
が、思い出せない。
目の前に見えるのは、同じ人間とは思えない破格の美貌と鍛え抜かれた無駄な肉の無い筋肉。
「同じ人間とは思えないよね・・・」
完璧な人間は居ないと言うが、この目前で眠る男だけはそれに値しない。
「すました顔で気持ち良さそうに、寝てんだから」
満たされた表情は、目を閉じれば幼く見える。
鼻のてっぺんを、強く押したくなる。
つくしは細い指で押すも、直ぐに止めた。
『あんたが普通だったら、あたしは気持ち楽だったよ』

「つくし。お前うっせえよ」
「あ・・・あんた、起きてたんなら。は、早く言ってよ」
「一々、言う事じゃねーだろ。お前は駄々漏れすんのは、其所だけにしとけ・・・・ってえな」
「お願いだから、その口は黙ってて」
セクハラ間違い無しな、司の言葉につくしは頭を抱える。
『神様、次はこの男と他人でお願いします』

「その神とやらを見てみたいもんだな。その連中も、オレに膝まずくのが目に見えてる」
本気で司に殺意が湧く前に、つくしは司に付き合わされて意識を失った。


今更何を悩むのか、と思うつくしなのだが。
何かを考えていないと、自分を見失ってしまいかねないからと。
「お前はウジウジ悩んで、何か解決すると思ったんだろ」
「う・・・。分かってるんだよ、あたしだって」
とは言っても、苦労と言う名前のムダな体力消耗が好きらしい。

「あたしは何も無いし、見た目は普通以下だし」
パーティーに出れば『馬子にも衣装』で、つくしへの敵対視な視線も半端じゃ無い。
「じゃあ、出なきゃ済む話だろ」
「そうじゃない時も有るじゃん」
「何とかなるだろ、プロパートナーって職種も有るだろう
し」(そうなんか?)
流石にそんな職種の名前を、聞いた事は無い。
こうしてつくしは、又ドツボに嵌まってウジウジ悩む。
このパターンから、何年経っても抜け出せない。
「パートナーにプロなんて、有るのが初めて知った」
「プロ彼女・・っつうのも、有るからだろうな」
それは鉄仮面なあの秘書からの、受け売りらしい。

つくしがパンケーキを食べてから、しっかり付き合わされてしまった。
司がパンケーキを食べるとこに、時間はどれだけあっても無尽蔵に食べ尽くした。
どんなパンケーキかは、無粋と言うものだ。

つくしの服装は、当然だが変化している。
二人で食べた、甘いパンケーキの匂いを染み付かせて。

シャワールームで落とすのが、名残惜しかったのは互いの事だろう。

つくしの携帯には、『何時迄イチャイチャしてるの?』と滋から催促のLINE履歴。
「んなの、気にすんな」
面倒臭そうに言うも、バリトンボイスで掠れた声につくしはドキドキする。
「恥ずかしいんだもん・・・」
うっすら赤くなりながら、司からの視線が気恥ずかしくて反らしてしまうものの。
「つくし」
「へっ?な・・・」
「そんな可愛い目線で見られたらな」
再度無制限一本勝負に、付き合わされたつくし。

司の性欲の無限さに、ほとほと付き合わされる。
世の女達はこの男の精子を、億超えしてでも欲しいらしいが。
そんな物は死んでも欲しくない、と思うつくしだった。


滋のスイーツタイムに、拉致されたのは桜子である。
次いでに言えば、もう少ししてから祐子と優紀も合流予定だ。
桜子「あれだけ、パンケーキを食べたのに今度はスコーンですか?」
滋「昼は別腹だからさ、大丈夫」
滋が食べたパンケーキを思い出すなり、胸焼け気味な桜子。
桜子「あれだけ甘いパンケーキに、生クリームの山とか正気の沙汰ですか?」
パンケーキに生クリームを挟んで、チョコレートシロップを此れでもかとたっぷり泥まみれで 。
それが3枚もケーキプレートで、運ばれて来たのだ。
そのシロップは『HE◯◯HEY'S』を、使って居ると聞いて卒倒しそうになった桜子だ。
滋「でも夢子ママさんのは、更に練乳付きじゃん」
桜子「それを毎日見せられる、あたくしの身にもなって下さいな」
滋「羨ましいなあ、つくしも桜子も」
桜子「何ならデリバリー致しますか?先輩は・・良いじゃありませんか?」
滋「司は確かに良い男だけど・・・ね?」
桜子「美人には興味無いんですもの、道明寺さんたら」
外野の女性共はともかくも、スイーツ部門を任された夢見君はホクホクしていた。


パンケーキの人気は、SNSで評判になり特にセレブと若い女性からの支持は絶大となったのだった。
『パンケーキ食べたい・・・、パンケーキ食べたい・・・』と呪文を唱えながら食す。
秋葉原のメイド喫茶を、連想させる発想だが。

其所はホテル・メープル。
低次元に感じさせないのである。


次いでに優紀が茶道で使用した、和菓子も食べた滋だった。
桜子「滋さん、流石にあたくしは無理ですわ」
優紀「自然の摂理に逆らわん方が、賢明な判断どすな」
京都の庵で茶を立てる生活がなれ、今は御朱印書きが生活習慣になった優紀である。

つくしの胸に司の不埒な手が、回されているも。
流石に此れ以上は、何もしない。
司「此れからのつくしを、全てくれないか?」
つくし「此れから?」

司はつくしの腕に、自分がデザインした『BV◯◯ARI』のブレスレット式時計を嵌めた。
細い腕にプラチナとダイヤを散りばめたデザイン。
嫌味に写らず、女性らしい時計。
司のデザインしたリングを、右手に嵌めると至極満足な表情で。
司「普通に付き合えないのは、悪いと思ってる。オレ自身はつくしだけの物だ」
サラリと言われて、つくしは上目遣いで司を見上げる。
つくし「物好きなオレ様。あたししか、幸せに出来ない可哀想な人」
司「なら、して貰おうじゃねーか」

それから何日イチャイチャしたかは、誰も知らない。


いや、案外身近で二人は居るのだろう。

fin













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今日は御飯のお話が、間に合わなかったので。
スイーツの完結を、掲載致しました。
御飯は明日にアップ出来たら、と思います。
宜しくお願い致します。


『パンケーキ食べたい・・、パンケーキ食べたい、あんたと(つくしを)食べたい』
()は、司の正直な気持ちである。


祐子「類、居るかしら?」
つくし「あたし・・・帰りたいなあ」
有無言えずに、ドナドナのBGMに乗せられて向かう二人。

お誂え向きに造られた『ティールーム』の扉を潜る。
類が直ぐ近くで、直立したまま待機している。
アクビをしながらも、その姿は絵になっている。

祐子に促されて、気の進まないつくしだったが。
取り敢えず連れて来られた感満載で、モジモジしてしまう。
類「牧野、奥に司待たせてるから」
つくし「う・・・行きたくない」
類「オレ、祐子連れて戻るからさ」

つくしはが祐子の後ろに隠れようとするが。
類がここぞとばかりに、肩を抑え込んだまま奥に連れて行く。
つくしを前方に立たせて、ジェンカでも踊らせる魂胆なのだろうか。

「えー、ちょっ・・あ・・・あたし」
と、あたふたするつくしであったが。
類はつくしに、諭すように笑った。
「牧野だけが、司を人間に出来るんだからさ」
祐子もその後ろから、付いて行く。
「つくしちゃん、道明寺さんとお幸せにね」
つくしの身体を軽く押すと、二人はそそくさとドアを閉めて、カードをドアに翳す。
カードはセキュリティカードだった。

二人はつくしがドアを開かない様に、電子カードでロックを掛けた。
つくしをティールームと言う名前の檻に、放り込んだ二人。
「「牧野(つくしちゃん)、じゃあな(じゃあね)」」
彼らはそのまま、ホテルを後にしたのだった。
「ちょっと、類。祐子さん、待ってってば~」
つくしの前には猛獣が、獲物を見つけたとばかりに近寄って来るも。
近くのテーブルからは、甘いクリームの匂いが漂って来る。

つくしは忙しなく動いていたせいなのか、お腹がグーグー鳴っていた。
つくし「うわあ〜、此れどうしたんだろ?」
目の前のスイーツに釣られて表情を輝かせ、並べられているクッキーに思わず手を伸ばしてしまうつくし。
此れが檻だったら、確実に閉まっていただろう。
「美味しい〜っ・・・幸せ過ぎ・・・あ」

スイーツの並ぶテーブルの前で、猛獣なオレ様がスタンバイしている。

高級スイーツの前で仁王立ちする司に、つくしが上目遣いでニッコリ笑う。
「あははは・・・美味しいね。道明寺」
その場しのぎで、テキトーに言うつくし。
「都合悪くなると、道明寺呼ばわりか」
「いやぁ・・あの・・・ね」
つくしの側に近づいて、がっつり首周りをホールドする司。
頭を振って、逃げようとするつくし。
「うーん、ギブだって」
つくしの目前に回り、拳を目の前に見せ付けられる。
『あたし病院送り・・・だよねえ』

つくしは目を閉じる・・・が、待てど暮らせど。

暫くすると、頭上に関節部分で小さく殴られる。
「痛いんですけど・・・」
「男の部分、殴られた身にもなれ」
「ですよねえ・・・・」
余りの他人事風なつくしに、司が睨み付けるも。
「あたし可愛いくないのに」
始末の悪い女の上目遣いに、司は自分の敗北を認めた。
本当は司の事が大好きなのに、絶対に口にしようとしない女。
『可愛いけど、始末に負えないな』
パーティーでも、会社でも、つくしは男性目線が半端無い。

つくしが蹴りを入れた部分は、道明寺の未来が掛かって居る?大切な場所でも有る。
「スイーツには目が無えくせに、毎回心配させやがる」
「だって・・・あんた、嫌いじゃん」

「うさぎ屋行ったじゃねーか」
「あれは無理してた・・・」
「甘い物はな。つくしと行く場所は、嫌じゃねーよ」
甘い物は苦手であるが、つくしと一緒ならば甘い雰囲気の場所でも天国になるから不思議なのだ。

「パンケーキ食わせてくれんだろ?」
一緒の隙間を付いて、司は甘さを醸し出すつくしの唇に引き寄せられる様に深く口付けた。
「んん・・ん・・」
つくしは酸素を求めようと、腕を上げようにもそれは司の背中に回されていて。

大きな瞳から、暗い世界は消滅して行く。


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