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白鳥達が新天地に旅立ってから、3年後位かな。

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前のお話になります。
スピンオフは此方との時系列が前後します。
ご了承下さい。

此方に一人の女が、居る。
愁訴外来で患者の愚痴を聞きながらも彼らの不安を心底から汲み取る事で、病院に対する不安や認識を変えて貰う事。
患者様はお客様、お客様とは此れすなわち神様・・では無いけれど。
命を生かし、人間の尊厳を守り慈しむ。

そんな愁訴外来で、女はひた向きに今日も患者に向き合う。
今日は野球に打ち込む高校生が、つくしの元にやって来た。
彼の名前は、『青池 修宏』。
都立『世田谷工業高校』の三年生で、甲子園の予選会に参加していた。
併し一年前から、スランプに悩まされ立ち眩みを覚えて町のクリニックで診察をした。
当時は『試合のスランプによるストレス疲れ』と診断され、飲み薬を処方されて終わった。

数年後に英徳の大学病院を紹介され、ラジエーション室で撮影をした時に腫瘍が発見されて宣告されたのだ。
『手術を受けて、完治を目指すべきだ』と。

診察したのは、脳神経外科医の西門総一郎。
彼は甲子園を目指し、夏の甲子園出場を目指し予選会へ向けて日夜頑張っていた。
彼は度々目眩に苦しんでいた。
何度も医者を受診したが、その都度ハッキリ診断が出なかった事で今の今迄引き摺って来たと言う。

難しい手術であり、開頭手術を受けなければ目眩に苦しみ難聴を引き起こし日常生活に支障を起こすと。
18歳になったばかりの修宏は、小さい頃から野球一筋で頑張って来た少年。
将来を嘱望され、最近はスポーツ新聞等でも注目される様になっていた。
修宏「先生、僕は恋をしても大丈夫ですか?」
つくし「彼女が覚えていたら、良いんじゃないのかなあ」

そう此処で普通ならば、彼が恋したのはつくしを差している事へ委細承知なのだが。
相も変わらずその手の話には、全く鈍いのはつくしだけなのであった。


藤原「牧野先生は相変わらず、勉強熱心ですねえ」
デスクトップに、カルテのコピーと患者のプロフィールデータを掲示して睨み付けるつくし。
つくし「いやあ、修宏君が18歳てあったんですよ」
藤原「若いですねえ。私には何年前のお話かしら、年号も跨いでますから」
つくし「あははは。ですよねえ、18歳。うん、あたし何してたかなあ」
藤原「青池君て、あの青池和也君の縁戚か何か・・・とか」
つくし「そうみたいです。和也君の主治医さんから、紹介されたんです」
藤原「西門先生も相変わらず、マメですねえ」
つくしは『弟ほどではないよ』と、言い掛けたが止めた。


藤原は席を立つと、デロンギのコーヒーメーカーからは芳ばしい匂いが室内を巡回する。
と、同時にガラリと診察室の扉の向こうから、睨み付ける様に顔を出したのは『水もしたたる良い男』の悪魔だった。

司「勝手にベッドから、居なくなるな」
無礼極まり無い男は、つくしを見つけるなりまとわり付く。
つくし「はぁ?あんた頭大丈夫?」
司が付け上がると又、ベッドに拘束されかないつくしの1日。
藤原が司の為に、マグカップをつくしの前に運ぶ。
藤原「あら、牧野先生。私、席外しましょうか?」
と、そそくさと逃げようとした。

つくしはすがり付く様に、藤原婦長に涙目となった。
悪魔がつくしに、手を伸ばそうと間近に迫った。
その腕を叩き、斜め上から睨み付けるつくし。
が、上目遣いの睨み聞かしは、司の邪な感情を煽るだけで。
『可愛いじゃねえか。他の男に見せんな』と、醜い嫉妬心を募らせるばかりだった。

妄想世界のつくしが、司にイかされトロトロに溶かされ全身を桃色に染めながら懇願する姿。
『あんたの色に染まりたいのよう』
完全妄想世界のつくしを犯しまくる司の視界、その本人はニヤけている。
「照れんな、オレはお前以外の女は全く眼中に無え」
「バカは休み休みにしてくれるかな?此れから患者さんと面談するの」
「まさか、男じゃねえよな?」
堂々巡りが愁訴外来の診察室で、スタートする此れすなわち『英徳学院大学付属病院』の1日の始まりだった。





取り敢えずは、此方を再開しつつも並行しながら短編やら色々書いて行きます。
七夕のお話、間に合ったら書きたいなと思ってますが。

此方は不定期ですが、出来るだけ空けないようにはしたいと思ってます。

多忙になりましたら、途切れるかも←。



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研究室から拉致されて、つくしの診療室へ雪崩れ込んだ二人。
つくしは何が何だか分からず仕舞いで、間名瀬から話を聞いて受けるか考えて返事をしようと考えていた。
が、つくしは考えて考えて、無限にループした果ては結論を出せないで明後日の考えになった前科が有る。
司は今回を逃すと、又つくしの事だ。
情に絆されて、選択を誤られるのはNYの告白だけで良い。

『道明寺HD』の株価が乱高下すれば、NYどころか帰国も出来ずつくしは別の人生を選択しかねない。
つくしは誰とでも、上手くやっては行けるのだろう。
司はつくし以外の女は、置物以下でしかない。
経営者の名前に縛られ種馬にされ、ワーカホリックのまま棺桶に突っ込まれるだけの人生。


回避するには、道明寺HDを強く大きくするだけだ。
つくしは司の手を取った。
司の手を離したら、自分を見失って後悔に苛まれそうで。
『あたし(オレ)が、幸せにしたいのはあんた(お前)だけ』
意思の通じた二人は、控室の奥に誂えたベッドの海へ消えて行った。

白鳥「あの二人はほっといて、藤原さん世話になったね」
藤原「いいえ、お元気で。牧野先生の結婚式か、間名瀬准教授の教授昇進が先か」
間名瀬「私もアメリカで勉強して来ます。心理学の本場で、勉強し直しですよ」
藤原「良いではありませんか。金髪の奥様を、楽しみに待ってますよ」
白鳥「じゃ、行っちゃいますか?メープルのバー、道明寺さんのツケで」
藤原「そうですね。真っ昼間から、お熱い時間を邪魔は・・・オホホホ」
間名瀬「では、行きましょうかね」
藤原「西田さん・・・と、おっしゃいましたかしら?」
西田「委細承知致しました。司様の方には、伝えておきます」

各々は当初の目的から、方向はずれていたが全ては『終わり良ければ全て良し』で結局二人の痴話喧嘩に振り回されただけだった。

彼らは『慰労』と言う名前の飲み会で、散々飲み食いする事で二人への細やかな報復をしていた。


当然ではあるが、楓の知る由となり半年間のNYに抑留となりつくしを味わう時間が取り上げとなった。
司の欲求不満が爆発する事は、つくしの平和を脅かしかねなかった。

仮眠室のリフォームは、完成したが主は相変わらず不在のまま。
つくしの『愁訴外来』は、相変わらず男性率が高い。


『道明寺、待ってるんだからね。あんたも浮気しないで』
つくしは司の使用している、万年筆を使用している。
何時も司の存在を感じていたくて。


平和な『愁訴外来』の日々だった。
FIN

やっと終わりました❗
一昨年、書き始めた『ジェネラルルージュ』『ペアン』シリーズのスピンオフになります。
が、本編は未だ始まった時に大スランプとブレーキで書けなかったんですよ。
終わらせたくとも、書き掛けが何作も有りまして。
いずれは終わらせたいと、思っていますが。
本編を書き始めたら、どれだけ修正掛けられるか不明です。



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藤原「牧野先生・・・あらあら、急いで出て行かれたと思いましたら」
間名瀬が、資料を取りに研究室へ来た事をLINEで知ったつくし。
確かに到着してはいたが、御曹司様の襲来は想定外なようで想定内でもあった。

車が院内に入った瞬間、研究棟に向かうつくしの姿が司の目に入った。
せかせかと急ぎ、焦りながらも口元を綻ばせる表情に司の野生の直感は研ぎ澄まされて行く。
あの表情は男か、食欲旺盛な時に出るものだ。
棟には食堂は無い筈だし、そもそもつくしが食堂へ行く前に拉致して司はレストランに連行するだろう。

つくし「え、あ・・・藤原さん?」
白鳥「つくしちゃんも、隅に置けないよねえ。良い男捕まえちゃうのに、間名瀬准教授かあ」
司「うるせえ。つくしは俺だけの女だ」
つくし「はぁ?あたしは誰の物でもないの。あたしはあたしの」
司「男はオレだけだな」
藤原「それは今更ですよ。白鳥さんの送別、聞いてましたか?」
白鳥「聞いてないよね~。僕は明日の飛行機で、ヨーロッパに行っちゃうんだ。その後任を連れて来たからさ」
白鳥とはリヒテンシュタインの王立病院に招聘され、医療監査関連の仕事で赴任する。
連れてやって来たのは、司と西田である。

が、西田は道明寺HDの社員である。
と、なれば残るは司であるが。
司はどう考えても、『道明寺HD』の御曹司。
司「牧野」
つくしのキョトンとする顔に照れ隠しに、デコピンする司。
つくし「キャッ、痛ぁ~い」
司「カマトトじゃねーだろうが。優しくしてやっから」
話が脱線して、二人は夫婦漫才になりそうになるものの。
間名瀬「牧野さん」
司「何だ、お前」
言い終えないうちに、ガツンと鉄拳が落ちて来る。
つくし「年上の方に失礼でしょ」
司「肩書は下だろ」
間名瀬「中良いんですね。此れでは私の入る幕はありません」
司「命有るだけましだな」
つくし「あんたは黙ってて」
間名瀬はつくしに気持ちを、伝えたかった。
しかしつくしの煮え切らない、思わせ振りな態度がはっきりしなかった。
つくしにはそんな気持ちは無いとしても、何故か踏み切る事を躊躇していた。
間名瀬は敗北を認めてはいたが、最後の望みを心の何処かで少しだけ期待していたかった。

なのに、心も気持ちも晴れやかだった。
赤い糸と言う物は、きっと有るのだろう。
間名瀬の赤い糸は、海の向こうに見える気がした。



次回でファイナルになります。

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殺気立つ車内は『何時死地へ向かうに等しい』、閻魔もダンテ(神曲)もセト(古代エジプトの死神)やはたまたハデスも近寄りたくはないだろう。
司の嫉妬心が首をもたげると、敏腕秘書も厚労官僚も黙りを決め込む。
今は巻き込まれて、内臓破裂にこそならないだろうが前科を圧力で消すレベルの司。
西田「司様、未だそうと決め付けるのは早計・・でもないですね」
白鳥「あ、そうなんだ。確かに、つくしちゃんならなあ」
司「名前呼ばわりするな。オレの特権だ」
西田「牧野様はどうにも、隙が有りすぎますのが・・」
司「学生の頃から変わらないな。あちこち、キョトキョトするのは」
白鳥「まあ、そこが良いんだよ。患者さんも安心してくれるし」
司「患者だろうが、関係者でも男はダメだ」
白鳥「子供が多いのに?」
司「男はダメだ。死に損ないのジジィもだ」
西田「牧野様が道明寺HDの株価と、明日を担ってらっしゃいます」
司「西田、善は急げだな」
「「・・・・・」」

つくしの未来は明るいのか、犠牲の精神を強いられるのかは目に見えている・・・のかもしれない。


つくし「間名瀬先生、如何しましたか?」
間名瀬「学会で使用する、資料を研究室に置き忘れて来たから」

シルバーの眼鏡に、やや色褪せた茶髪を撫で付けた『チョイ悪オヤジ』を匂わせるも白衣を着用すれば医師である。
間名瀬「心理カウンセラーも定着したとは言え、まだまだ知名度は低いから」
つくし「間名瀬さん、カリフォルニアに行かれるんですよね」
つくしは前屈みで上目遣いに見上げた。
彼は思わずつくしの腕を掴んでしまう。
間名瀬「牧野先生、カリフォルニアに一緒に来て貰う訳には」


「行くなら、てめえだけ勝手に行きやがれ」
つくしの体をかっさらい、本来の所有者に返却された如く身動き取れぬように抱き上げた。




「え?ち、ちょっと何?何であんた・・・そもそも何でいるの?」
「亭主が妻に会いに来て、何が悪いんだ❗」
「はぁ?あんたと何時結婚してました?あたしは、籍入れても居ないじゃないの」
「籍入れりゃ、良いんだな?相性も愛情もバッチリだしな」
「いきなり来て、何なのよ。そもそも、何しちゃってくれてるの」
研究室で夫婦漫才が始まったものだから、間名瀬は呆然としていた。
が、彼の表情は苦笑いで固まっている。
この二人の間には、自分は只の間男にしかならない事。
『完敗ですね・・・でも清々しい』
つくしが自分の前では見せない、自然な表情や柔和さ。
彼女は気付いてないのだろう、それだけは言わないでおこうと思った。

間名瀬の優しさと、人生の門出をひっそりと決意した間名瀬とはうらはらに。

「信じらんない・・・もう、知らないうちにSP付けつけてたとか、あり得ない。このストーカー」
「お前は男が途切れない日はないだろうが」
「知らないし。あんたの好きな女の人を選べば済むでしょう。世界中からエントリー来るわよ」
「女?只、工事しただけだろ」


この二人の劇場は、未だ続くのであった。



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「アリアドネって、確か危急を存じた時に発生する究極?」
「ええ、そうなのよ。法医学教室の危機だったかしら?女優の樹本ありさだったかな。満里奈の妹だったよね」

法医学教室のドラマで、看護士の田川伊都子とつくしは盛り上がっている。
看護士として、10年目のベテランで最近は外来患者の付き添いでつくしの室内に立ち寄る。
以前伊都子の祖母が、入院する事を不安がって駄々をこねた時につくしが応対した以来の縁である。
伊都子は不安定な状態に陥った祖母を、見抜けず看護士ながら落ち込んでしまった。
身内がその立場になると、穏やかに居られない時こそつくしが必要とされるのだ。
『愚痴外来』と揶揄される由縁だが、つくしに聞いて貰っただけでも救われたと伊都子は感謝している。
「あの刑事達に犯人がね・・・」
一頻り会話を終えると、見計らった様に藤原婦長がコーヒーの、入ったマグカップをトレイに乗せて来た。
藤原婦長「伊都子先生、一時期は大変だったみたいですね」
伊都子「もう落ち着きましたから、牧野先生。その節はお世話になりました」
つくし「いえいえ、あたしでお役に立てて良かったです」
藤原婦長「間名瀬准教授と、デートのお時間も大事ですよね」
つくし「あ、いやいや。でも・・」


つくしは白鳥達との引き継ぎを終えたら、メープルに併設されているトラットリアで待ち合わせていた。
過去はもう過去のままであり、未来では無いから。
終わっている事を振り返っても、出て来るのは後悔する事に苦しむばかりの自分だけだ。

「そうね、道明寺とはもう過ぎた話だしね。あたしには、あたしの分に叶った人生も有る」
「牧野先生、愁訴外来の患者さんはそれに励まされているものですよ」
「は・・・はぁ。あたしは能天気なだけですから」

藤原婦長の言葉は、能天気を装ってるようで実は的を得ている。
珠に皮肉が交じり、乾き笑いで茶を濁したりで誤魔化す事も有るが。
愁訴外来は確かに、困る事は無いのだ。
理学療法でも行き届きにくい、心のケアの更に必要とする患者や家族は大勢居る。
入院生活の愚痴から、看護士達とのコミュニケーションと多岐に渡るのだ。
自分よりも他人を優先するつくしには、天職では有るのだが。


そのつくしがダメな点は、お人好し過ぎて患者に入れ込む事。
もう1つが異性に、異常な程にモてる事を自覚出来てないのだ。
見た目は普通過ぎるのだが、つくしは患者やその家族は言うに及ばず。
偶々病院に来ただけの、面識すら無い男性をも惹き付けた事も有るから始末に終われた。
大臣の息子に見初められた時もあり、友人達が取りなして回避したのも昨日の様だった。
伊都子を見送って、藤原と談笑した後につくしは間名瀬からのLINEを確認するなり早足で室内を出て行こうとした。
「牧野先生、如何なさいましたか?」
「実は・・・」




白鳥は偶々つくしの好みではなかったし、既婚だったので難に遭遇しなかった。
栄転となったのは、渡りに船だった。
その後任として肩書きこそ違うが、つくしの事を知り尽くしている男は野獣の直感で感じ取っていた。
『なんで准教授程度のレベルに、キョトキョトするのか』
何年経ってもつくし以外の女は、判別すら付かない男が『道明寺司』なのである。
その司が煙草を吹かし、青筋を立て始めた。
運転手は死地への旅立ちな車中の雰囲気に、ハンドルを握りしめていた。

彼らの明日は何処に有るかは、着いてからの司の機嫌次第であった。



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