小っさい恋の物語(連載中)

小っさい恋の物語・・二人だけの誕生日〜33〜

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息子が大切に飾っていた肖像画へ、蹴りを入れていたと使用人達から聞いた時。
楓は久方ぶりの帰国で、自分の時間を絵画鑑賞にハイティータイムで過ごす事に決めていたのだ。
ぼったくり(ボッティチェリ?)の絵画は、経済友好親善の証に王室の邸宅に飾られていた名画。
『ヴィーナスの誕生』は、国宝クラスであり大使夫人から頂いたのである。
楓を魅了した絵画なのに、帰国するなりガラスのヒビが入った絵画の原因は又もやバカ息子とは。
それも『ヴィーナス誕生』の名前を聞くなり、発言した息子。
『あんなデブ女より、つくしの方が全然可愛い』
と言い出したから、遂にイカレてしまった息子である。
つかさにとって、保健室のベッドに隠れていたとはいえ大きな瞳にチラリズムのはだかは衝撃だった。
その瞳から流す涙に、つかさの全ては『オレがこいつを守るんだっ』とつくしの虜で今やストーカーになって?いる。
つくしの試験結果は、未だ分からない。
が、肝心のつくしが入りたい・・・と言ってない。
此れは無理難題なのか、やはり通いたくないのか無理強いをするのも考えてしまう。

あの絵画が国宝級のお宝である事すら、楓の脳裏からは消えてしまう程に。
つかさの今後の方が、頭痛の種であった。


つくしの試験は、無事に合格の通知を頂いた。
しかしつくしは、入学を辞退したいと申し出た。
「なんでだよっ、オレが・・・」
「ちがうよっ、あたしNYへ行きたいんだよねえ」
「なんでつくしがNYなんだよっ」
「どこへいっても、あたしははだかっていわれるから」
「んなのかんけいねえだろっ。つくしを泣かすやつ・・・」
「あたしはそんなのいやだよ・・」
「つくし」
「つかさは家の跡を継ぐんだよ。あんたがNYじゃないなら、あたしは行きたいんだ」
ずっと悩んだ果てに、つくしは春男を通じて楓に申し出たらしい。
「分かった」
「つくしがNYなら、オレもNYへいくっ」
「へ?」
「オレはつくしの行かない学校には、いかね」
「つかさっ」
「つくしのいない学校いっても、女がうぜえからいきたくねえ」
学校とは勉強する為にいく場所である。
「なら進みたいに、だんしのほうにいく?」
進は既に、仙台の男子校へ入学した。
「つくしの入るがっこーに、てんこうするっ」
「えー、そんなにかんたんにはむりだよお」
女がうぜえからとは、そもそも穏やかな発言ではない。
「学校へ行けば、気持ちわりーい女が近寄って来やがるし」
「ハーレムだし、うれしいよねえ。おとこの人は。女の子イヤって事は、ホモなの?」
「なんで、そうなるんだっ」
自分も白黒付けたがるが、つくしの極端な発想も無茶苦茶に近い。
そもそも誰を基準につくしは、見ているのだろうか。
「女つうより、つくし以外は女の顔したお面だ」
「おめん?」
「そうじろうの家にあった、おにみたいなやつだ」
つまりはつかさには、般若にしか見えないらしい。
「もうすぐたんじょうびだね。つかさっ」
つかさのたんじょうびは、後数日に迫っている。
しかし肝心のつかさは、出たくないとごねている。
つくしとつかさは、どうなってしまうのか。



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