つくしが花に見入っていると、奥にビニールハウスらしきスペースが見えてきた。
つくしはつかさと話したくないので、奥のビニールで出来たドアを開いた。
其処には、人の体が横たわっている。
つくしは大きな瞳が飛び出す位に、驚いてドアを開きそうになる・・・も。
『キャッ・・あれ、もしかして?』
「もしかしても何も相変わらず、牧野うるさい」
薄汚れになりながらも、惰眠を貪るのはビー玉の王子様。
つくしは小さく舌を出しながら、『エヘ』とおどけて見せた。
『つかさが居なくて正解だな・・・、今の見たら犯罪者間違いない』
と、るいは内心思ったのだった。
「だって、はなざわるいが来てるなんてっ」
「オレは此処の庭師と知り合いなんだよ。此処の花が好きだし、ハイティーしてたから」
「ハイシー?」
「お前の頭は相変わらず食い気だな・・・」
類はソファーに毛布を掛けて、横たわっていた様である。
つくしのお腹は、それを知らせる様に腹が鳴っている。
赤くなるつくしに、類は一瞬顔をしかめるもゲラゲラ笑い出した。
「牧野・・・面白い・・笑える」
「だってなにも、食べれなかったんだよねえ」
「なんかあったの?」
「おんなのこがきた」
「へ?あいつは又か」
「またって?初めてじゃないの?」
「あいつはともかくも、おばさんが頼まれたんだろうな」
つかさが大金持ちの御曹司なのは、つくしも知ってはいる。
いや最近になって知った、が正しいだろう。
まだ幼いながらも、楓の後を継いでこの会社を継いで行くのは分かる。
となれば、狙うのは玉の輿なる『つかさの様な優良物件と結婚し、将来は金持ちの仲間入り』を目指そうというあざとく醜い欲まみれの人だかり。
しかし実態は、見た目は優良物件。
中身はつくしのストーカー?で、かなり日本語は怪しいおバカである。
「誕生日パーティーなんざ、動物園のパンダ扱いだしな」
「パンダのほうがかわいいよっ。見るだけなら」
「だろ?実態は狂暴なんだけどな。つかさもだけど」
「うん、おばちゃんの絵を蹴っ飛ばしてた」
「あの名画に蹴りって・・・」
るいは絵画に関しては、少々興味もあって飾ってあるのは分かる。
「はだかの女の人が、かいがらに乗ってた」
「あれ、国宝クラスだぜ」
「たしか、びじゅつのきょうかしょかなにか?」
「ボッティ・チェリだろ?」
つくしのお腹は、急かすように鳴り出していた。
「国宝クラス・・・な・・なんつー」
あたふたと、目が泳ぎ出すつくし。
「まぁ・・あいつには、名画もその辺のガラクタと一色単だな・・・」
見た目は王子様なるいも、言う事はかなりの猛毒に違い。
「な・・だって、国宝ならねっ。ケーキもチョコも、食べ放題なんだもん」
国宝の価値観が、そんじょそこらのスイーツレベルと一緒なのも困ったものである。
「いや、それは違うだろ」
「シェフさんのお料理は、世界一だもんっ」
るいの心中は『え?其処でもねーだろ』と、突っ込みたくなっている。
大抵の女の子や、女性達はつかさやるい等を見るとコロっと猫を被って・・・媚びるのだ。
が、つくしは存在そのもの、猫みたいなものだ。
るいが前にテレビで見た『島に住む人間より多い数の猫』で見た猫に近いと言うのか。
つくしはのんびりと言うのか、鈍ちんなのか。
るいの周りでは珍しい女の子だ。
『自分がしっかりしてないと、危なっかしいもんなこの妹は』
るいは一人っ子であるが、兄の様な感情が芽生えたのはこの時からかもしれない。
その時ビニールで出来たドアに、突っ込んで来たのは色々な意味で飢えた?野獣だった。




ありゃ、お誕生日だったからまさかの『類つく?』www。





ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村




二次小説ランキングへ







スポンサーサイト
Secret