購入の列が少しずつ動き出して、つくしは涼の手を繋ぎながら歩き出す。
カウンターからは『先頭でお並びのお客様、此方にどう・・』
若いお団子頭の女性が、営業スマイルで対応する先。
周りのアルバイトらしき若い女性、社員らしき年上の女性。
周りの家族連れの女性達。
つくしが涼を連れて居るのを見るなり、口元が締まり無きな笑みに包まれている。
「ママ、嫌な顔してるよ」
店員のあからさまな、対応に敏感に感じ取る。
「いや、あのさ。涼は目立つから・・・ね」
涼は親譲りの美貌を受け継いでいる。
つくしから受け継いだのは人の良さ位で、殆どはミニ司みたいなものだ。
「良くないよ、もう」
店員は赤くなりながら、静かに応対する


『○○円のお返しになります・・・』
名残惜しそうな店員だが、涼は営業スマイル?で手を振りながらつくしの手に繋がれついて行く。
女性店員は笑顔で、手を振り返す。
バックヤードは、涼の話題で持ちきりになるのだろう。
『どうして、女性っつうのはあーも露骨なのかな?』
つくしは何年経っても、変わらない女性の印象に心中で文句タラタラのつもりだったが。
「ママ、それは女性だからでしょ。男性店員だったとしても、変わらないんだから」
「あはは。もしかして、あたし・・・」
「うん、ダダ漏れ。店員さんとは、離れてたけど」
ミニ司なのに、涼は類みたいな事をしれっと言う。
「この前来た時に、僕の服を見てた時。その時ね、品物の補充してた人」
「なあに?」
「ママの事ずっと見てたんだよ」
「へ?そうなの」
「パパが聞いたら、又部屋の花瓶壊しかねないよ」
涼の子供部屋には、イミテーションであるが花瓶やらも置いて有る。
生まれる前は、陶器の皿が展示されていた。
義母の楓が某大使夫人から、頂いた数百万の価値が有った皿。
楓はいたく気に入ってたが、それは無残な残骸となっていた。

「商談先の息子が、つくしに横恋慕をしていたから」
つくしからは鉄拳制裁の上、国交断絶状態な位に激怒した。
しかもこの時に出来たのが、涼だった。
「まぁ、それで涼も生まれたんだから」

司の腹いせから生まれたと後に聞いた涼は、グレなかった自分を褒めたくなった。
自分が思うのも何だが、こんな痛い気の無い?子供に迄嫉妬する親。
『僕、いつかこうなるのかなあ・・』
母はともかくも、容姿は父親譲り。
好きでこう生まれた訳ではないのに、父親を見ると自分を少し不安に感じた涼だった。
「ママは凄いよ」
「なんで?」
「あのパパだよ・・・僕もあんな風になるのかなあ」

小さい子供から心配される、司の存在につくしも不安は拭い切れなかった。
「あのバカ男、今度と言う今度は離婚するんだから」
「ママ、無理だから。今度はお家無くなりそう」

子供が一番強いのは、一目瞭然だった。

今日も読んで頂きまして、有り難うございます。



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