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都心部の一等地に、天高くそびえ立つガラス張りの巨大ビル。
世界有数の企業グループの自社ビルとして、その名を知らぬ者は皆無な昼間のある日。
御影石のオブジェが目立つ隣に、建物の概要やら中に入る名前を羅列する白看板。
『道明寺HD・東京本社』とアルファベットの、筆記体。
嫌みな位に様になるが、この看板の奥を目指し日本はおろか世界中の若者が志願してやって来る。
毎年企業が実施する、『入社したい企業ランキング』で首位の座をキープしている。
受付嬢からして、モデル顔負けな美貌と品を感じさせる笑みで印象も悪くはない。
道明寺HDは、入社試験では東京○○ムで行うと言う狭き門である。
書類選考には、パソコンがサーバーダウンしかねない位の天文学な数字の応募。
削ぎに削いで、入社出来るのは数人である。
民放のアナウンサーより、宝塚の受験より難しい。
そんな中を合格するのは、将来を約束されたエリートでもある。
今日はその試験を突破した一人の女性が、一斉一代の営業会議でプレゼンを発表する事になってるのだが。
『法人営業部、第3課。牧野つくし』入社当時は、160,000人の中から合格した強者だ。
合格者は15人。
10600倍の超難関を抜けた、エリート女性である。
管理職から、下は派遣社員に清掃会社のシルバー人材に慕われている女性である。
分け隔てなく付き合い、誰にでも愛想の良い女性。
女性はともかくも、男性人気はダントツなつくしだが。
おくびに出さず、偉ぶらない態度が会社では評価されている。
毎日の様に、男性社員からも誘いを受けるのだが。
全て断って飲み会にも、参加しないミステリアスな女性である。


そんなつくしが、道明寺の社運を掛けたプロジェクトのプレゼンに参加すると聞いて社内でも評判になっていたのだが。
「牧野君は未だ到着してないのかね?」
担当部長の久間は、つくしの実力を高く評価している一人である。
頭頂が少々寂しく成りつつあるが、未だ40代後半の小太りな男性社員である。
つくしのプレゼンを楽しみにしていたが、未だに姿を見せない彼女。
普段は始業時間の15分前に、着席しているつくしがだ。
体調を崩したのか、緊急な事が起きたのやら。
社長の道明寺楓が、もうすぐ姿を見せるのである。
生きた心地がしない久間は、胃がキリキリしそうだった。
『牧野君の才能が今日1日で終わってしまうのか?』
「久間部長、牧野君は何時頃来るのかね?」
専務や取締役が、一斉にジロリと睨みを聞かす。
社内は魔女の到着に、ピリピリさが増して来ている。
珈琲を運ぶ女性社員すら、ピリピリ感に落ち着かなくなっている。


ガチャり。重厚な扉が開き、オートクチュールに身を包んだ魔女。
もとい『道明寺楓』が、秘書を従えて席に向かおうとした時だ。
「牧野さんは、如何なさいましたの?」
「もう到着する頃かと、思いますが」

凍り付くトーンに、ギクッとする部長や管理職。
一面に睨みを聞かすも、見えるのは映えない男性管理職の輩。
楓は悟った!
「又、改めるわ。撤収なさい」
「い・・・今何と」
「同じ事を言わせないで。仕事とビジネスチャンスは、待ってはくれなくてよ」
ピシッと一言告げるなり、楓は即刻退席した。
部長が急性胃炎で、搬送されたのは内密である。


楓はつくしを不憫に、思っていた。
そうなのだ、無表情を装っているが。
彼女はつくしの居場所を、何となく分かったのだ。

執務室に直行するEVの中、つくしはあられも無い格好で壁に貼り付けられていた。
だらけた腕にはブラの紐が絡まり、大きい背中に乗せられている。
ストッキングは裂かれ、されるがままにも見える。
「あ・・・もっ・・・はや・・・んっ・・」
EVの速度は、何時もよりゆったりと上昇している。
耳鳴りと息の詰まる空間に、つくしの手が何かから逃れようと乞う。
それをお見通しとばかりに蹂躙され、男の背中に腕を回され先端を含まれる。
何度もまさぐられていても、つくしはトロンとしながら雫を口から垂らす。
「イヤらしいなつくしは」

プロジェクトの一人に選ばれたつくし。
管理職の男達に顔見せする事が、気に入らない。
そんな事は分かっている。
学生だった頃とは違うのだ。
秘書に抜擢しようとすれば、『未だ早い』と却下された。
「もう・・・む・・・り・・・あ・・んん」
先端を震わせ所有印を散らせ、崩れるつくし。

つくしが晴れの日を迎えた笑顔、その裏に隠れる醜い感情。
副社長と言う役職が邪魔をして、つくしに会う事も許されない。
EVの帳から執務室への扉が開き、二人の交わりは此れからが本番である。

本能の赴くまま、つくしの中は司を待ち詫びて太い重厚な男性器を受け入れる。
寒気どころか、監禁されて歓喜する事も厭わない。

獣に変貌し、互いを貪る男女の奪い合い。

愛とは奪い合い、ウィンウィンを登り詰める事。

こうして自分達の世間体は失敗するも、互いを一人占めする。

それが獣の営み、奴らには似合う誉め言葉。



で、何が言いたかったんだろう。

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