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道明寺奥の院・龍泉庵

花より男子のブログになります。一部のお話はブロ友様のみの公開です。一部記事にパス掛けてますので、ご了承下さい。

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君と過ごした日々〜7〜

暗闇から漆黒の闇に変わる風景、バ○タを出発してから『消灯時間』となり「車内でごゆっくり、お寛ぎ下さい」と運転手が幾分トーンを抑えて注意喚起する。
つくしは車窓の夜景を、カーテン越しに覗き込む。
首都高を西へと下る道は、六本木から渋谷を抜けて行く。
『この夜景を皆と眺めていたなあ』
もうかなり昔なのに、昨日の様に記憶が蘇って来る。
「明後日の昼過ぎかあ・・・何してよっかなあ」
未だ住む場所を決めていないつくし。

バスが出発して間もなく、充電を始めて電源を付けたらLINEが入っていた。
パリ支社に居る、類からであった。
『あきらとパリで合流して、帰国後に結婚式へ出席する』と。
明日は司の結婚式に参列し、翌日につくしとN市で再会する約束。

類が新幹線のグリーン車でやって来るのと違い、つくしはどう考えても夜逃げに近い。
夜逃げは高校時代に散々経験していたが、10年近い年月から又夜逃げである。
『あたし悪い事してないのに。道明寺を好きだった事も、今は悪い事になるのかな』

あの別れが無ければ、今頃は司を想いながらも会える日を指折り数えたのか。
或いは出張が長く、刹那に胸を焦がすのか。

「眠れないの?」
つくしの隣に座る女性が、突然声を掛けて来た。
最後尾の窓側に座るつくし。
道がでこぼこなのか、ガタガタしてつくしは窓に頭をぶつける。
「痛った~い」
カタカタとタブレットを動かしながら、指を画面に滑らせる女性。
小シャープな横顔が美しく、明かり越しに見える小顔はモデルみたいなパーツの持ち主。
「あ・・・突然、ゴメンなさいね。
この時間になっても、景色を眺めてる子って珍しいなって思ったのよ」
丑三つ時の高速道路。
「いいえ。眠れないんです」
「そうなのね。ガタガタするし、寝付けないとも言うのよね。もしかして、夜行バス初めて?」
「はい。新幹線か飛行機は仕事で有るんですが」
「そうなのね。最近のバスはディズニー行きか、コンサートやliveの移動手段だけど。遅くなっても、帰りたい人間にはね」
「お仕事の帰りなんですか?」
「今日は取引先と打ち合わせがあったのと。その方を交えて食事に行ったの。ギリギリ迄」
女はタブレットを見ながら、会話を続けている。
「まぁお得意様だし、明日は何か結婚式でバタバタと言ってたわね」
「え、それってもしかして?」
「もしかするかな・・・って、いやだあ電光掲示板の話を言ってる?」
つくしの頭の中に、思い付く結婚式は司の以外は思い付かないからだ。
「ち、違うんですか?」
女は声を抑えつつも、クスクス笑う。
ビジュアルは良いのに、特有の高飛車さがない。
「貴女って面白いのね。あんな異次元の方達と、一緒になる機会は先ず無いわよ。そもそも、夜行バスで帰りとかあり得ないでしょ」
「そ、そうなんですね・・・」
異次元の人と付き合っていた自分、その言葉につくしは取っ掛かりを感じた。
『そんな事思って付き合った事、なかったよなあ。F4や桜子に滋さんも、最初だけはそう感じた』
「貴女お付き合いした事有るのね❗」
「え?」
「声が洩れてるわよ」

つくしは口を抑えながら、キョロキョロ見回す。
大きな瞳は、今にも飛び出しそうで。
幸い周りからは、鼾やら息の音しか聞こえてない。
「それよりも、行く宛ては有るのかしら?」
「どうしてそれを」
「全部駄々漏れしてたから。凄いのね、あんなレジェンドの方々と」
「もう・・・過去の話・・・です」
「混み言った事は聞かないけど、そんな生き方も有るって事よね。悪い事も有るけど、良い事も有る筈よ」
「そうですね。あたしは」
「牧野つくしさんでしょ?私は、城内環。行く宛てが無いなら、私の住んでるマンションに空きが有るから。つうよりは、ダンナの持ち物だけど」
「ダンナ様の持ち物?」
「ダンナがN市内で、マンションやアパート経営してるの。私は市内で小さい店舗のオーナーをしてる。それよりも、少しでも睡眠を取りなさいな。朝、かなり大変よ」
「寝付けなくても?」
「目を閉じるだけでも違うわ。つくしさん、今は全てに辛抱よ。きっと運が何時か貴方に味方するから。自分を信じて」
「環さんて、静さんみたいな方ですね」
「静さん?」
「藤堂商事のお嬢様で」
「あら、藤堂は旦那の遠戚よ。かなり遠いみたいだけど、私なんかで光栄だわ」
サバサバした雰囲気で、タブレットを指で動かす環につくしは好感を抱いた。

タブレットの電源を落とした環は、目を閉じてうつらうつらと夢の住人と化すものの。
つくしは全く眠れそうになかったのだった。
案の定バスが到着するや、彼女は体がフラフラしながら環が付き添って下車の際には足を踏み外したのだ。
「近くにネカフェが有るから、其所で仮眠しましょう」
と、つくしを連れて行くのだった。



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Author:悠香
花より男子の二次を書いています。
CPはつかつくか、総優の二刀流であります。
一部のお話には、パスワードを掛けてあります。
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