2018.03.14 Starting over〜〜
去年のお話ですが、此方は掲載されていません。
クッキーを題材に書いたお話になります。


アタシは又々盛大な喧嘩を、大衆の面前でやってしまった。
それと言うのも、アタシがバレンタインの時にクッキーを渡したからそのお返しをくれたんだけど。
クッキーくれたから、返すのもそれにした・・・と言う。
アタシと司は既に、10年近い付き合いなんだけど。
実際に会えるのは、数年に一度。
クリスマスやら、誕生日でもプレゼントのみだった事。
それは司のような、立場有る人間には普通の人並みな生活を求めるのはとても無理な話。
だからこそ魂が繋がるだの、色々言い訳しては自分を奮い立たせた。
それでもアイツとは、会う事すらままならない。
自分がピエロみたいに、滑稽に思えて悔しくなった。
「オレは別れる気はねーから」

「アタシは何年待たないと駄目なの?」
普段のアタシはそんな事、口にもおくびにも出さない。
出せないし、アタシのプライドが許さない。
「つくし?」
「迎えに来る来る詐欺じゃん。アタシはヨボヨボのタマさんになっちゃうよ」
(タマさん・・・ゴメンね byつくし)
それから些細な事でアイツと喧嘩して、アタシはタクシーで遠回りしながらマンションに戻って来た。
冷蔵庫から、チューハイを取り出してプルトップを開けて豪快に飲む。
化粧も落とさず、オヤジ飲みする。
普段なら、あり得無いんだけどさっ。
アタシだって、仕事もしたいけど。
結婚して、子供も欲しい。
自宅の庭で、花や家庭菜園をしながら子供やパパと笑って過ごしたい。
(子供がちびつかつくなら、尚更良いかも)
些細な夢、こんなアタシにだって夢は有るんだよ。
でも現実的には仕事と生活に終われ、司と会える機会は宝くじ並の確率に近い。
やっぱり友達で終わるのが、アタシには身の丈に会ってるのかなあ。
考えたら英徳での出来事は、キセキに近くて。
其れ丈でも、エライよアタシって思った。
初めて自分を誉めてあげたいと、その時は思ったんだよね。
高級ホテルでディナーデートとか、そんな事じゃなくて細やかな二人だけの想いを紡いで行きたい。
それは、アタシの高望みなのかなあ。

アタシは男無しで生きられない女にはなりたくない。
確かにその考えなんだけど。
仕事やら家族とのトラブルやら、女子会でワチャワチャを悪いとは思わないんだよ。

でもアタシは、何時も雑草の牧野つくし・・・じゃないんだよ。
珠にその鎧を脱げる場所、それを無性に想いながら泣きたい場所だって有るんだよ。
アンタに会いたいよぉ、って何度も泣いたアタシ。
友達の裏で、こんなに泣く自分が嫌だよ。
クラスメイトや職場の友達は、どんどん結婚していく。
もう結婚式で招待客側は、卒業したいよぅ。
アタシは何時迄、こんなに宙ブラリンじゃなきゃ駄目?
らしくない、らしくないぞっ。
でも、アタシは只泣くばかりだった。


アイツから貰ったクッキーは、変わった味がした。
ほろ苦い思い出と、今の現実。
つくしが居ないオレの将来は、どんなビジネスよりも考え付かねー。
何でアイツと幸せになりてー、のがこんなにも難しいのか。
身分つうもんか、ビンボーな生活がダメなんか、しがらみが邪魔ばかりして今も告白すら出来ねー


オレは只、『牧野つくし』と結婚したいだけなんだけどな。


ボロアパートの前で、愛しい女はずっと突っ立っていた。
「やっぱり、アンタとは付き合えない」
開口一番に、それは何なんだよ。
会議が長引いて、日付は御前様っつー奴で。
車を返して、オレはアイツの住んでるアパートに向かったのに。
労うどころか、いきなり地獄行き?
オレは彼氏様じゃねーの?只の行きずり男?
「アタシは雑草魂の女。アンタのような、ハイスペックな人には釣り合わないの」
「いきなり、何言ってんだ?」
「でもね、雑草魂はもう疲れちゃったんだ」

「・・・・・」
「もうさ、開放されても良いと思うの。アンタもアタシも」
「んなのは、別れる理由にはなんねーよな」
先日も初めて結ばれたあのコテージで、アタシはアンタから沢山貰うばかりで。
此の思い出だけで、十分生きて行ける。
それ以上望むのは、アタシが只の女性になる。
其れでは駄目なんだと。
だからアタシは普通の、知り合いに戻りたいと告げた。
それは贅沢な事なんだろうか?
こんなに素敵なアイツを、アタシには勿体なさ過ぎる。
だからこそ、普通の二人に戻るんだ。


アイツとは友人のように、今更そんな関係に戻るならば力ずくて奪っても・・・と悪魔が耳元で囁く。
其れでお前は納得するか?と又考え込む。
結局、オレはどうしたいんだ。
やっぱ、アイツは愛しい女なんだ。
オレにはアイツ以外は、どうでもいいんだ。
そう思った時には、アイツを拉致して連れて来た。
『今は考え込むかもしんねー。オレはつくしと以外の未来は考えらんねーから。』
区役所で紙切れ提出して、シンプルなリングを二人だけで互いの指にはめて。
『クッキーは友達のまんま、ならば友達のような夫婦つうのもアリかもな』


其れから、5年。
つくしは、子供の世話に追われて居る。
仕事に追われる相変わらずのオレ。
が、友達のような夫婦。
そんな選択も、一つに過ぎない。
ベタベタするだけが、全てじゃねえ。
離婚だけは、ねーけどな。


こんなアタシを、パートナーに選んでくれたアイツにひたすら感謝してる。

タマさん位になっても、ずっと仲良くしてようね。




アタシを化け物扱いするんじゃないよ。
タマさん、ゴメンね。
おしまい。

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