再会したときの総二郎は、高校生だった頃には知らなかった部分があった。
「久々やんなあ・・元気しとったん?」
最初優紀が聞いた時、鳩が豆鉄砲を喰らうような衝撃だった事を覚えている。
「は・・・お久しぶりで・・?標準語じゃ・・ないんですね」
その時にウンザリするようにいわれたものだった。
「なんで、東もんの言葉話さなアカン?」
「東もん?」
「東京の人って意味。知らんって・・・言うてへんかったわな。堪忍」
最初の印象も、軟派で苦手ではあったが再会しても印象は良くない・・・だが。
優紀は総二郎を見て、疚しい気分になってる事を否定しなかった。
「彼氏と一緒やったん?」
「あ・・・友達なんです。大学の」
にっこりと笑いながら、「初めまして」と言うも名乗る事はしなかった。
将太の方が、総二郎を見るなり恐縮する感じで引き攣らせている。
「優紀、知り合いだったんだ。凄いね」
将太はこの場を立ち去ろうと優紀の手を引っ張るが、肝心の彼女は下を俯くだけだ。
笑顔ではあったが、総二郎の目は笑っていなかった。
寧ろ見るのが、怖かった。
「失礼します」
そう告げて立ち去るのが、精一杯だった。
近くにあるファミレスで、食事を取る事になり窓際の席に陣取ったものの。
優紀はずっと窓の外を眺めたまま、暫く動こうとしない。
メニューだけでも・・・と将太に促されて、ようやく我に返ってケーキを注文しただけで。
ドリンクバイキングに行けば、ボーっと立つだけでドリンクを注いでもソーサーに零すわと定員に迷惑を掛けたり散々だった。
「で・・さっきの、年明けに籍入れるって話なんだけど」
将太は就職先も決まり、落ち着いて取り掛かりたいと話をするのだが。
肝心の優紀は将太の焦りに、ドン引きする自分を重ねていた。
「藤崎君、私は未だ其処までの気持ちになれなくて。学校卒業してからでも、遅くはないんじゃないかな」
「優紀・・・もしかして西門ってのに会って動揺してるんだ?」
「西門さんがどうして其処に出て来るの?」
「F4でしょ、お金持ちだし。茶道界の大物でしょう。オレは庶民だし、其処までの男じゃないし」
そもそも比較する時点で違うと・・・優紀は溜息の出る話だ。
「関係ないと思うけど。昔の知り合いだし、今は向こうにも事情があるでしょう」
「じゃあどうして、顔を背けてるんだよ。さっき、その場から離れようとした時に下向いてたじゃん?」
「・・・・・」
「ドリンクバーでも、突っ立ってたし。何か優紀、おかしいよな」
「そもそも、お付き合いの期間だって短いじゃない」
(そうか?)

「お付き合いって、優紀は何時からお嬢様気取りしてんだよ」
将太は総二郎の出現に、焦燥し始めていた。
優紀自身は知らないが、サークルや学部の仲間内の中には彼女に好意を持つ輩はかなり多い。
『将太には勿体ないよ』と冷やかす女友達も居た位に。
大学のキャンパスで、席が隣だった事をきっかけに些細な会話をするようになった。
最初はレポートの交換や、文学に関する談義等から始まって・・・。
野球観戦をして、差し入れをしたりとその辺りは普通の学生仲間としての距離を保ってきたのだ。
が、優紀は普通に挨拶を交わしたりと・・誰とも差し障りない程度に付き合う。
将太は優紀と話せる事に優越感を感じて、自分は彼氏のようなもんだ・・と勘違いする部分を持ち始めていた。
優紀は将太に対して、友達の中でも親しいウチの一人にしか考えてなかったのだ。
優紀が普通の女子大生なだけだったら、そう終わってたのかもしれない。
「俺たちずっと、付き合って来たんじゃないの?」
「エ?藤崎君。何か変だよ、普通に会って付き合うとかの域じゃない」
「違うんだよ。優紀は全然オレを一人の男として見てないじゃんか?」
「そんなこと、いきなり言われても・・・」
あの高校時代の出来事が、優紀の中では消化したようで燻り続けているようだった。
「一期一会・・・か」
その言葉が一生を左右するような一言とは、当時重たい言葉だったと優紀が分かるのは大分後の話だった。

当時つかつくが、書けなくて悩んだ時だったなあ。
懐かしいですわ、今となっては。
此方も進めたく、蔵から出して来ましたwww。
本日も読んで頂きまして、有り難うございます。




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