つくしと進は、英徳の編入試験を受ける当日。
二人はシェフお手製の『カツサンド』を頂いていた。
つくし「おいしいねー。こんなの滅多に食べられないよ」
進「オレこんなに良くして貰っていいんかなあ」
カツサンドとオニオンスープに、デザート付きで。
オニオンスープは、ホテル『メープル』でも販売されている看板メニューであるが。
手作りの食事に、ひたすら感激するばかりだ。
色々話をしながら、幼い二人はサンドイッチにかじり付く。
つくし「はいれるかなあ」
進「姉ちゃんは、余裕じゃん」
つくし「あたし・・・ふあんだよ」

使用人の一人が、不安そうにつくしの方へ向かって歩いて来る。
使用人「つくし様、お願いがございます」
つくし「なあに?」
嬉しそうに食事タイムを楽しんでいた、つくしであるが。
タマ「つくしは未だ食事の最中だろうよ」
使用人「それは重々承知しておりますが・・・」
タマ「又、坊っちゃんかい?」
使用人「左様でございます」
タマはゲンナリしている。
タマ「困ったもんだねえ」
使用人によるとつかさは中々起きて来ない上に、無理に起こすと殴る蹴るで暴れるのだという。
酷く機嫌が悪い時には、部屋に飾ってある国宝クラスの骨董品を破壊したりもするのだとか、
使用人達の中には怪我をして、余りの怖さに近寄りたくないとタマに泣き付いて来るのだ。
学校は社長出勤並みに、遅刻の日々である。
タマ「つくしは大事な試験の日なんだよ」
つくし「どうしたの?つかさおきないの?」
進とカツサンドを美味しそうに頬張るつくしだが、つかさが中々起きないと聞いてカツサンドを白磁の皿に置く。
つくしは大きな瞳を、キョロキョロする。
つくし「つかさダメなんだねえ」
タマ「何処迄手の掛かる坊っちゃんだかね」

使用人「申し訳ございません。坊っちゃんは、寝起きが宜しくないのでございます」
つくし「おきるかなあ?」
使用人「お食事中のところ、申し訳ございません。ご足労願えませんか」
つくし「いいよお。つかさ起こすの?」
つくしの一言に、狂喜する使用人達。
タマか睨みを聞かすと、静かになる彼らだ。
つかさの寝室に案内されて行くつくしに、使用人達も固唾を呑んで見送った。

ガチッと、古めかしそうな扉が開く。
使用人の一人が鍵を開け、つくしが付いていく。
大きな天盖付きのベッドに丸まって眠るつかさ。
つくし「ダンゴムシみたいだねえ」
つくしは小柄な体で、ゆさゆさと揺り動かすも・・・起きない。

使用人に持参させた、小さい中華鍋をつかさの耳元で派手に鳴らし始める。
ラジカセを置き、大音響でパンクミュージックを流し始める。


つかさ 「うっせーっ、ひっこん・・・で・・・」
意識が覚醒するなり、目の前に居るのは大好きなつくしが鍋を持つ姿。
つくし「おはよー、おきたねえ」
つかさ「う・・・ん、なあ・・キスはして・・くんねーの?」
つくし「なあにそれ?」
日本式しか知らないつくしには、真っ暗になる位に驚いた。
つかさ「NYなら、すんのになっ」
繰り返すが此処は日本である。
つくしとて、知らなくはないのだが。
抵抗が有るのだ。
つくし「起きないと、あたし試験おくれちゃうよ」
つかさ「受かったらいっしょだっ」
つかさはつくしに抱き付くと、朝の挨拶?を額に受け入れさせられてしまった。
つくしは真っ白のまま、試験に望む羽目となった。

「姉ちゃん大丈夫?」
進が言っても、ボーッとしているつくし。
そのつくしを待ち受ける、運命的な出会いが刻一刻と近づいている事を今は知る由の無いつくしだった。

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