つくしは波の中に漂っている。
夢見なのか、それは仰向けになりながら穏やかな波に包まれて。
今迄の生活で格闘しながら、付いて来た痣や傷が癒えて包まれる穏やかな波。
『あたし、生まれ変わるのかなあ・・・』
目を開けて見れば、伴侶となった男の逞しい胸の中。
あられもない姿で抱えられているではないか。
「気が付いたか?涎垂らして駄々漏れしてんのな」
「な・・・ちょっ。なんなのよ、あたしの服」
「服は無いぞ、下着以外は持って帰らせたしな」
「あたしはシャワー浴びたいだけ」
二人はバスタブの中抱き合う形で、泡風呂に包まれている。
「シャワーなら、後で幾らでも浴びさせてやっから」
『何なら隅々迄洗ってやるから』と悪魔の囁きにも聞こえるバリトンボイスの誘惑。
「あんたはそれだけじゃ、終わらないわよ」
「何年待たせやがんだ・・」
目の前に自分の顔を大きな手で固定され、つくしは俯く。
「あれは嘘なのか?」

駅の階段から落下して、重傷になりながらも司の元へやって来た。
会う事は無いと司ですら諦め掛けたあの時。
つくしの決死の行動力は、小さい身体の何処にそんな秘めたる力があったのか。
司はつくしのパワフルさに、全面降伏だった。
自分が仕事でどれだけの事をやって除けても、今迄は虚しさしか感じなかったのだ。
つくしを得た事で、達成感と言う物を得られた。
『自分は生きている』と初めて感情として捉える事が出来る様になった。
と、同時に『貪欲な位につくしを愛し愛されたい』と新たな源から沸き上がる欲情。
「あん時のつくしの発言は、全くの嘘なのか?」
「そ・・・んな事は、・・な・・・い」
つくしは何年経っても、素直になる事が出来ない。
それは分かり過ぎる位に、分かっているのだ。
「あたし・・・、大斗と一度だけ・・デートした」
「お前は・・・相変わらず・・浮気」
「違うの・・・あんたの姿を探してたんだ。あたしの心には、ずっとあんたがいた。忘れる事は出来なかった。」
「つくし」
「あんたが居るから、あたしは彼と同じ場所にいても彼を通じて・・あんたになってるのよっ」
名前を出された大斗は迷惑だったに違いないが、存在は全く見えてないのだ。
『何処にでも司と居る』と知らないうちにつくしの細胞は、司以外は拒絶していたと言うのだから。
それが何よりの告白である事に、司は至上の喜びを感じていた。

書いてるウチがイヤんなって来ました←。

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