つかさと鉢合わせするとは、まさかのつくしも想定外の出来事だった。
「るい、オレのつくしに何しやがるんだっ」
「オレのも何も、あたしはものじゃないよ」
「つくしはオレんだっ。朝だってチューした仲じゃねーかっ」
そうなのだ。
元はと言えば、つかさが額にキスをした事から始まったのだ。
そのまえ前には教員があろうことか、裸の写真を撮影してネットに上げられて落ち込んでいたつくし。
保健室のベッドで恐くて震えていた時に、助けに来てくれたのはつかさだった。
(西田も一緒にいたのだが、つかさ以外は覚えてない)
なのにである。
今度はそのつかさに額とは言え、キスをされてしまった事。
写真を撮っていた教員とは、違う意味でショックだった。
「あんた、しけんじゃないの?」
真っ白になったかと思えば、つくしは現実に引き戻され我に返ってパニックになる。
「どうしよう、道分かんないよお。パパはたらけなくなるよぅ・・・」
「つくし、オレが連れて行ってやるっ」
「どうせつかさはちこくなんだから、早くきょうしついけば?」
そもそも何故此処をつかさは知っていたのだろうか。
「うるせー、おまえがつくしにかまうから心配だっ」
つかさの猛獣並みの嗅覚は、つくしが関わると発揮されるようである。
「つかさのむちゃぷりのほうが、心配だろ?」
「あたしおぼえてないよお」
「つかさはほっといて、いくよ」
「オレはつくしの行くとこには、いくんだっ」
試験会場に向かう三人だが、既に話の問題が何処に有るのかはうやむやとなっていた 。

此方の試験会場では、つくしは試験放棄扱いで試験がスタートしていた。
進は斜め上を見ながら、姉の身の上を酷く心配していたものの。
開始時間になったのだから、仕方がない。
試験内容だが。
去年の入試項目を出題している。
「始めて下さい」
高畝の合図で、ストップウォッチが動き出している。
進は答案用紙を開くなり、目を開くも口元を緩めながらシャープペンを指先で動かし出した。
赤いボディで万年筆を兼ねたシャープペン。
クルクル回し始める進だが、答案用紙からは目を反らしていない。
そう、牧野進は問題解決の時にみせる手の癖なのだ。
一通り問題文を掲載している頁に、目を通したと思ったら。
カリカリとシャープペンで、項目を完璧に動かしていく。
記述問題の殆どは、四択か五択で殆ど解答がされている。
試験官ですら、内面では舌を巻いていた。
『この子はどんだけ凄いんだ?英徳は都内有数の進学率もずば抜けている筈だが・・・』
進は田舎の塾で、予習復習しか勉強はしていない。
大学院生から借りた、参考書で勉強をしていたレベルである。
『田舎の学力レベルなんざ、たかが知れて・・・』
高畝が息を付こうとした瞬間。
「終わったよ。次の科目は?」
進の言葉に、高畝は瞬きを繰り返すと同時に。


ガラガラと木戸の付いたドアが開き、つくしと類が息を切らしながら入って来た。
一歩遅れて、つかさも入って来た。
試験官の高畝は、つくしを目前にし非情通告を出していた。
「遅刻は失格である」
つくしは、両膝を付いてしまっていた。


20話を越えましたが、まだまだ続きそうです。
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