待ち人を思う(連載中)

待ち人を思う〜12〜

 ←小っさい恋の物語・・雛祭りとつくし〜前編〜 →小っさい恋の物語・・雛祭りとつくし〜中編〜
司は凭れる彼女に足早に近付くも、尋常では無い事を察しポケットに忍ばせていたスマホを取り出した。
『近くの護岸にドクターヘリを搬送してくれ』

吉松が一足遅れてやって来ると、倒れている貴子の姿に青ざめて行く。
「貴子さんっ」
吉松が慌てそうになるのを、司は冷静に言った。
「落ち着け、今ドクターに搬送依頼は掛けてある。空模様が心配だったが。取り敢えず牧野や身内に至急連絡を入れてくれ」
「分かりました、勝さんに連絡を取ります」
「勝?」
「貴子さんの息子さんです」
「あぁ、頼む」
吉松は慌てながら、急ぎ携帯をタップすると店の外に出る。
若干声を震わせながらも、吉松は勝に連絡を取り始めた。

プルプル。
美子「ハイ○○商事です。牧野ですか?本日は退社してますが」
つくしの同僚である、榊美子が受話器を取った。
勝「つくしは早く退社したのか?オレは親戚筋の者だが、連絡取れないんで」
美子「あ、どうもお世話になります。実はつくしさん午前中に、同僚とメーカーでの打ち合わせに行ったんです。今日はそのまま、退社扱いになってるんです」
勝「そうなんだ?携帯が全く繋がらないみたいなんで」
美子「何かお急ぎの件でも?」
勝「火急の用事で、直ぐにでも連絡欲しいんだ。つくしと連絡は取れないかな?」
美子「お力になれず、申し訳ありません。私も今日に限って携帯を忘れてしまったんで。同僚に心当たりないか、確認してみます」
勝「頼みます」






その頃つくしは章太と、飲み屋で乾杯をしていた。
つくしは『レモンサワー』を頼み、章太は生ビールをジョッキだ。
二人は午後に『メーカー』との打ち合わせを、終えて直帰する事にしていた。
「時間に終われたくないし、会社の事は此処から関わりたくない」
の一言で、二人は携帯の電源をオフにしてしまっていた。
打ち合わせでは、商品開発についてのやり取りでどの様な商品が主力になるのか。
今後はAm○○○nや○天等、同業者の傾向やユーザーの嗜好等多岐に渡りディスカッション形式の打ち合わせを行って来た。
「何かね、もう今日は頭空っぽにしたいよ」
「何時も以上に、使ったもんな」
「普段は使ってないみたいな感じじゃん・・」
「確かに・・・」
二人は互いを見るなり、吹き出して一時笑い合っていた。
「なぁ、つくし?」
何時にない真剣な顔の章太。
「なに?」
「オレと結婚してくんないか?前々から考えてたんだ」

つくしの手からグラスが落ちてしまい、室内には硝子の砕け散る音が響いていた。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村






二次小説ランキングへ
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png 短編
もくじ  3kaku_s_L.png 桜ほうさら(完)
総もくじ  3kaku_s_L.png ジェネラル・ルージュの伝説
もくじ  3kaku_s_L.png 雑談
総もくじ  3kaku_s_L.png 西門家のいけずな女たち
もくじ  3kaku_s_L.png You Go your Way
もくじ  3kaku_s_L.png My Gift to you
もくじ  3kaku_s_L.png 初恋が終わる時
総もくじ  3kaku_s_L.png 花は遠くなり(休載中)〜現代編〜
【小っさい恋の物語・・雛祭りとつくし〜前編〜】へ  【小っさい恋の物語・・雛祭りとつくし〜中編〜】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【小っさい恋の物語・・雛祭りとつくし〜前編〜】へ
  • 【小っさい恋の物語・・雛祭りとつくし〜中編〜】へ