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自動ドアをくぐり抜けると、巨大オフィスの様な作りで取り敢えず二人は『コンシェルジュ』と看板の有る場所へ向かった。
黒いリクルートスーツ?らしき、眼鏡を掛けた女性がつくし達の応対に出る。
受付女性「此方ですと、東病棟の方になりますね・・・」
二人は少し遅れて出発した、総二郎と章太の到着を待った。
つくし「優紀、ゴメンね。取り乱したりしてさ」
優紀「慣れとるわ。でも昔やったら、ウチもな。この世界におるとな、色々あんねんて」
冷静に振る舞える優紀の立場は、身に付ける物以上に重たいのだろう。
「出家して、仏門に入って修行したからやんね」
「あー、それで髪伸ばしてないんだ?」
「出産やら色々大変やしな。面倒臭いんと、慣れたら此れで楽なんよ」
優紀は長椅子に座り、つくしは近くのテレビに目を写せば其所に映るのは『F4の華麗なる歴史』なる経済番組の宣伝。

「総二郎はん、到着したみたいやわ」
スマホのメールをタップしながら、優紀は立ち上がった。

女性の溜め息があちこちから、漏れつつも真っ直ぐ優紀の元にやって来た総二郎である。
つくし「西門さん、ゴメンね。優紀借りちゃった格好で」
総二郎「慣れてはるわ、しょっちゅうやで」
優紀「人聞きの悪い。それより場所は・・」
章太「つくし・・大丈夫か?」
つくし「章太、有り難う」
4人はコンシェルジュから言われた場所へ向かって行った。


貴子は『特別室』と書かれた、病棟の最奥に居るらしい。
表には約束の『面会謝絶』看板があり、病状の重さを物語っている。
部屋の前では、息子の勝が待機していた。
つくし「勝さん、ゴメンなさいっ」
勝「つくしちゃん、連絡着かないからさ。取り敢えず、助かった・・・」
顔色の青い勝だが、取り敢えずつくしと連絡取れた事で安心したのか。
勝は近くに設置されている長椅子に、身を下ろした。
吉松「久しぶりだね、つくしちゃん」
吉松はスマホを持ちながら、息をきらせてやって来た。
つくし「吉松さん、ご無沙汰してました。この度はすみませんでした」
吉松「いやいや、オレは何も・・・」
つくし「勝さんに付き添ってくれたんでしょ?あたしが、連絡取れなかったし」
章太「此方の人は?」
つくし「あたしが学生時代に、知り合った人。今は漁師町近くで、喫茶店経営してるんだ」
章太「そうだったんだ。良かったなつくし」
つくしは章太や吉松を交互に見ながら、心底安心した表情を浮かべる。


勝「つくしちゃん、お袋さ。後一歩遅かったら、葬儀屋の手配だった・・」
つくし「ゴメンなさいっ、吉松君には感謝・・」
吉松「つくしちゃん。貴子さんを搬送出来たの・・・道明寺さんのおかげなんだ」

つくしは異次元の言葉を聞いた如く、その後誰が何を言っても耳を持つ事が出来なかった。
章太はつくしの肩を持ち、少し離れた場所の長椅子に身を下ろした。

つくしの身体は、息をする事すら忘れてしまう程冷えて来た。


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