小っさい恋の物語(連載中)

小っさい恋の物語・・二人だけの誕生日〜30〜

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使用人はつくしが何時まで立っても出て来ない事に、慌ててタマに判断を仰いだところ浴室内で逆上せ状態のつくしを発見した。
「つくし・・つくしっ、しっかりおし」
茹で蛸のつくしは、バスローブにくるまれて急ぎ寝室へ運ばれていく。
バタバタと使用人達が右往左往している事に、野生の直感が働いたのは子供?ながら大人顔負けの行動力(つくしが絡む時のみ)でつかさは動き出した。
「おいっ、何があった?」
「はぁ・・・つくし様が、浴室でお倒れたと・・」
「何処なんだっ、つくしは」
「いやそれはその・・・」
「つくしはどこにいやがるんだ?」
たがの外れたつかさは、つくしが倒れたと聞いて邸の中をバタバタと動き回って使用人を逆に慌てさせた。
「つかさ坊っちゃま、どちらへ?」
「つくしんとこだっ」
「落ち着かれませ、つくしさんは邸の中で休まれてます。タマさんが、付き添ってます」
「楓奥様も居らっしゃいますので」
「ババアが居るなら、オレも行かせてくれっ」
毎度のつかさが駄々っ子の如くにごねだして、使用人は益々困り果ててしまう。
「奥様から何人もお通しするな、と通達されてるんです」
「なんでオレはダメなんだっ」
何人も通さない、の一文には当然だがつかさも入っている。
ましてや、つくしが此方に来てトラブルに巻き込んでる一因にも含まれている。
「とにかく、坊っちゃまでもお通しする訳にはいかないのでございます」
使用人達は必死に宥めるものの、こう言われると実力公使に出ようとする。
自分より屈強なSP達が立ちはだかり、つかさは舌打ちしながら渋々その場を退散した。
『つくしはオレの事が、そんなに気に入らねーのかよっ』


つくしは目を開けるなり、煎餅布団から飛び出ようとした・・・が。
「あれ?あたしふろに、いたんだよねえ」
「つくしは、湯船で溺れそうになってたんだよ」
「そうだっけ?ぜんぜん、おぼえてないよ」
風呂の中でも、眠りそうになってたのは内緒である。
「あ?つかさがしんぱいしてなあい?」
「坊っちゃんは暫く放っときな。寝ても覚めてもつくしつくしって、バーゲンセールじゃないんだよ」
「それなら、スーパーのタイムセールがいいねえ」
つくしは何度死にかけようと、やはり分かっていないようである。
『つかさいないの、さびしいよ』とは思うのだが、どうにも素直になるのは程遠いつくしだった。





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