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文面の前後が合わず、お見苦しい点に申し訳ございません。

白鳥「久々に会うなあ、つくしちゃんは」
司「気安くつくしと言うな」
つくしに言わせると、『勿体ない公用車』に乗車した厚労の官僚事務次官候補と御曹司。
司は楓のしたり顔には、余りのイラ付きに室内の装飾品(贋作を並べ替えた) を破壊して清掃業者に仕事を還元していた。
迎えにやって来た西田と、白鳥が見るなり目を丸くしていたが。
そこは慣れている西田の事だ、『牧野様の心象が悪くなるだけですよ』の一言で司を大人しくさせたのてある。
司「相変わらず喰えない奴だ」
西田「何年仕えてるとお思いになりますか?」
白鳥「チッ」
西田「舌打ちは御曹司のやる事にはございません」
好きで御曹司じゃない、と言いたくなった司であったが寸での所で止めた。
楓といい、西田もだがあの『道明寺』を背負って来た歴然の強者の一人だ。
道明寺の為ならば、心中する事も朝飯前なのだ。
西田「風の頼りに依りますと、牧野様にはお付き合いなさっている男性の姿」
と、言うなり背後の司に、書類を差し出した。
調査書に、クリップで止められた『間名瀬准教授』のカラー写真。
華麗なる経歴を羅列された、ワードの文面。
は、直ぐに形を成さずに力の限りで握り潰された。
「間名瀬?俺の中では、相変わらずキョトキョトするのは変わらねーよなあ」
「間名瀬准教授?確か、心理学の権威に近いって聞いてるよ」
白鳥は冷やかしな目線で、司をチラと見る。
「つくしちゃんかは、定かじゃないけど。お付き合いの女性の影は、聞いてるんだよねえ」
「厚労は暇なんだな」
「間名瀬准教授は、心理学の権威に尤も近い准教授なんだよ。教授の椅子も近い将来・・・」
「だったら、専念させてやる。研究室から、出らんねーよには朝飯前だ」
能面秘書は、内心ではため息しかないだろう。
『牧野様の事になると、御曹司の前に人間に戻るのだから凄いお人だ』


「間名瀬さん?シェ◯トンの創作居酒屋に、14時ですか・・分かりました」
スマホのインカムで、つくしはPCを立ち上げながら嬉しそうに話す。
診察室とマンションを兼ねた女子寮の、往復生活。
仕事の虫だが、用は引きこもりに近い。
テレビの画面では、『間名瀬准教授の華麗なる経歴』をワイドショーが取り上げる反面。
『道明寺HD副社長、数年ぶりの帰国』と交互に、取り上げている。

間名瀬准教授からは、男女から更なる関係に発展を遂げるのか。
つくしの人生、いよいよ黒船襲来の瞬間は刻一刻と迫っていた。


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間名瀬から、LINEメールが入ってるのを見計らう。
デロンギのコーヒー豆からは、芳ばしく最高級の匂いで婦長の藤原は『オールドノリタケ』の陶磁器を準備にいそいそしている。
「牧野先生、准教授からメールを頂きましたんでしょう」
渇きがちな笑いを飛ばしながら、つくしはカルテのチェックに目を通している。
も、つくしはそわそわしている。
もうすぐ、30代の後半に差し掛かる頃での結婚話。
優紀や滋は既に、三児と一児のママとして幸せな日々を送る。
桜子も臨月を前に、初めての出産準備であたふたしている。
バタバタの果てに、やっと『美作家』待望の初孫で夢子ママと小姑ツインズは毎日病院に顔を出している。

一生独身と思われていた、『花沢類』ですらも『サンマリノ』でまさかの恋人を見つけたのだ。
フリーのルポライターで、シングルマザーの『祐子・アレクシス』。
祐子とは『F1サンマリノGP』で、静を通じて知り合って結婚を決めたと言う。
「類も直感的に、決めちゃうとは思ってなかった」
イタリアで久々のランチデートを、楽しんだりと類とは何時も恋する乙女の気分になれたつくし。

類とは数年後に、同じ現場で遭遇する事になるが大分未だ先の話だ。

『陽平さん(間名瀬の名)、何の話だろ?』
「いよいよ、牧野先生も年貢の収める時」
藤原婦長の語尾の最後は、いくばくかの皮肉も込められてはいるが。
それを含めても、つくしは嬉しく思っていた。
英徳での腫れ物扱いを受けた過去を考えれば、自分には全然大した事にもならなかったからだ。
「牧野先生のお友達さんに、西門流の次期家元夫人の方がいらっしゃるなんて」
「あははは。優紀の事ですか?」
「着物姿で、前にお付きの方と見えましたよね」
「茅乃さんの事ですか?」
「そうそう。目がきつくて、驚きましたから」
「ですよねえ。茅乃さんは、優紀の教育係ですもん」

優紀が貧血を起こした時に、病院へ茅乃とやって来たのは最近の事である。
「牧野先生。白鳥さん、お見えになる時間ではありませんか」
「あー、そうだった。急がなきゃ、未だ化粧もしてなかった」
厚労省次席部長代理の、白鳥圭輔との面会は波乱を含んでいる事は想定している。
「そう言えば、白鳥さんの後任てどなたなんでしょう」
婦長は和む口調で、ゆっくりとつくしを振り返った。
『まさかね?』

つくしは考えていたが、間名瀬からのLINEメールで直ぐにそれを頭から消去したのだった。



何時も有難うございます。




間名瀬准教授が、次期桃の園学園の医学部教授として赴任すると聞いたのは風の便りからであった。
メールやLINEニュース等で、幾度も流される教授としての赴任話。
つくしもプロポーズされたのは、桜の便りが終わり新年号の到来を告げる5月だった。
6月のジューンブライドに、式だけでもと言われて舞い上がりそうになったつくし。

あの恋愛の呪縛から解かれ、やっと普通のサラリーマンとして生活する事が出来ると安堵していた。
命が幾つあっても足りない位に悩み、家族や友人達と苦楽を共にしてきた。

その友人達の先陣を切った親友の『松岡優紀』は、5年前の6月に京都の『下鴨神社』で式を挙げている。
と、肩書きは良かったが散々揉めながらの挙式にヒヤヒヤしたものだった。
『西門流』次期家元と、波乱万丈なラブストーリー?を乗り越え結婚と跡継ぎを手に入れた大運。
優紀は一介の女性で、身分は平民だったにも関わらず。
生まれながらの高貴さが、昨今の占い師や評論家がこぞって優紀を『普通に終わる女性ではない』と誉め訴やした。
今年に入って3人目を出産したばかりで、LINEメールで『子育ても楽じゃない』とボヤいていた優紀。
子供は全員男児で、既に教育係が付いてると言うのだから何時の時代だと返信したつくし。
桜子も臨月を向かえていて、此方は逆に女の子と分かり職場の病院に入院している。
当然ながら『特別室』は、今更な話である。
滋は海外生活で仕事の度に帰国する生活のスタンスで、現地法人の男性と結婚している。

『黒歴史とはお別れ出来るっ』と、既に学生時代の話を忘れようと仕事に邁進して来た。
間名瀬准教授とは、職場の友人を通じて知り合ったのだが。
互いに研究や仕事一辺倒で、無関心のまま人生を歩んで来た。

教授と教え子、『心理学』が繋いだ恋。
ホテルメープルのバーの個室でデートを重ねて来たが、先日プロポーズに近い告白を受けて幸せの絶頂期。

つくしは急患の対応に駆り出され、一足遅くなった昼食を取る。
室内に設置されているTVを付け、箸を取り出した。
綺麗な所作で『頂きます』を済ませ、色とりどりに盛り付けられたオカズを箸で掬い噛み始めてまもなく。
画面上では何処ぞから下車したと思われる、とても見覚えの有るシルエットに箸を落としてしまうつくしだった。







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此処に一人のイケメンと呼ぶには、相応しくない男が楓の部屋に向かって歩いて来た。

「今日から、赴任して貰うな」
厚労省へ赴任しろ、と辞令を出したのは例によってご多分に漏れず『鉄の女』事道明寺楓である。

つくしが医師として、勉強に励んでいた事は鉄面皮の秘書から調査書と言う名前のPC画面経由で知ってはいた。
別に今時は、職業の選択は自由だ。
医師を目指しているのも悪いとは思わないのだが、楓に呼ばれた事は驚いた。
「社長から緊急のアポが、取り付けられております」
「何分だ」
社長と言う美魔女が、いきなり藪から蛇に自分にアポを申し込むのも妙な話であった。

男の名前は『道明寺司』と言い、投資家と美女達が一言一挙に注目される御曹司。
今は『副社長』の肩書きに近い、取締役で多忙な日々を送るカリスマイケメン。
冷酷な経営者として、『経済界のマリアテレジア』とも呼ばれるこの女帝から自分は産声を上げた・・・らしい。
「ババァが今時、何の用なんだかな」
先日も何処かの企業誘致と、プロジェクトチームを立ち上げ『買収』に関しての報告で顔を合わせたきり。

今迄は強硬な位に『政略結婚』を持ち出して来ては、つくしとの縁をことごとく握り潰して来た楓。

それもあったからか仕事に没頭し、つくしへの想いは封印しながらも成果は出して来たつもりだが。
今更ながら、今度は妨害工作に拍車を掛ける為の召還かと穿た見方しかない。

規則正しく、幾分強めに重厚なドアをノックする司。
控えるは鉄面皮の秘書と、黒人と黄色人のSPタッグ。
無言にドアが開き、楓の秘書が先導するままに皮のソファーに着席を勧められた。
キーボードの音と、ソファーの前に設置されている『8K』テレビからは何かの中継を放映しているようだった。
「間名瀬准教授、医学界のホープとして・・・」と言い始めた瞬間。
映像は切られ、先ほど迄PCを叩いていた筈の美魔女がソファーに着席している。
「今の画像の男性、つくしさんのお相手みたいね」
「だから何だ。牧野とは仕事の付き合いだろう、今更何抜かしてやがんだ」
「表向き・・・とだけ、申しておこうかしら」
相変わらずの喰えない美魔女に、我が親ながら対応に苦慮する司はまだまだ青竹の域を脱していなかった。

「何が言いたいんだ、ババァ。もう耄碌する域に入ったか」
「貴方と言う子には、ほとほと進歩と言う物を伴わないわね」
楓はほくそ笑みつつも、無表情のまま司と対峙した。





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ガンガンにクーラーが効いた室内の、簡易ベッドに白衣をまとった女性が項垂れていた。

『もう、セクハラじゃないの~』と顔を上げるなり、立てかけてある姿鏡の前でポージングを決める小柄の女。
頭頂部をお団子ヘアでまとめ上げ、ナチュラルメイクに膝上のデニム柄のパンツキュロット。
つくしはポケットから、リップライナーを取り出すと軽く唇に色を乗せた。
黒字の明朝体で書かれたプラスチックの看板は、先日迄口紅で落書きやら傷だらけにされた木製を取り替えたばかりのお誂え。
この病院で3回目の、勤務地にやっと定着した。

『愁訴外来科』、つくしの根城であり今や1日の半分を過ごす室内。
仮眠室を改造しただけだが、ムダにスペースが広くドアを隔てた臨室はクローゼットルームとシャワー室を仕切っている。
それもこれもつくしの婚役者たる者が、勝手に部屋をレイアウトしたなれの果て。
改装工事の業者も呼んで、事務長と院長に代理やら部長や教授に至る迄『ホテルメープル』接待浸けにした男。
つくしの抗議が一切スルーされたのは、つい先日の話。

上司の藤原看護部長に、デロンギのコーヒーメーカーとメープルのコーヒー豆で陥落している。

英徳大学付属桜宮病院は、日本有数の大学病院。
旧名は『東城大学付属病院』、かつて桜宮市が肝いりで誘致した病院だったが。
医療ミスが多発し、医療裁判や文◯砲によりその名声は地に墜ちた。
病院のガラス扉には、投石やら銃弾が撃ち込まれる騒動に院内関係者も頭を痛めていた。
その病院経営に、民間企業を誘致しようと動き出して数年。
潰れ寸前だった病院が、『道明寺HD』系列と資本提携したのは去年。
牧野つくしは、横浜の大学病院から心理学を専攻する女医歴7年目のベテラン。
7年目の折りに、顔馴染みの准教授から結婚の誘いを受けた。
所謂、プロポーズと言う甘い話?だ。
間名瀬准教授は、心理学の世界では高名で次期教授と持て囃されている。
つくしも彼の講義内容や、学会で顔を合わせるうちに付き合いを深めて行った。
ずっと仕事に打ち込み、気付いた時には結婚式場を梯子する立場。
そのポジションから、やっと解放されると信じていた。


その間名瀬准教授は、永林学院から桃の園学園医療専門学校で教鞭も取る末は安泰とお墨付き。

つくしはセレブとの結婚より、パートナーとしての結婚を望むようになっていた。
准教授と言う肩書きは、サラリーマンより少しステップが高い気もしなくない。

『学生時代の恋愛で、夢を見ていたんだ』・・自分は仕事を恋人に、パートナーと茶飲み話をしたいと。

そんな事を考えつつも、つくしの意識は夜勤を終えたばかりでシャワーを浴びようとも考えてはいたのだが。
気付いたら爆睡して、起き上がったのは時計の長い針が6を指していた。
「あー、カンファレンス逃しちゃったあ」
藤原室長とのカンファレンスは、ミーティング代わりであり他の科ともやり取りの必須でもあったのだ。
今日はリヒテンシュタインの、王立病院赴任が決まった白鳥圭輔の後釜がやって来る大事な日。
アポを13時で予約していて、白鳥が後釜を連れて挨拶に来ると言ってたのを思い出したのだ。

スマホをタップし、PC画面を起動させる。
つくしは欠伸を殺しながらも、メール画面をクリックするなり大きな瞳で更に画面から目を離さずにいた。











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以前書いたままなんですが、偶々ドラマを見ていたら二次にヒントが来ました。

『花男』のドラマではないけど、ずっと書きたくて考えていたらスラスラ書けました。
中々更新出来なくて、すみません。
カテゴリーに含んでいますが、前の話と繋がらなくても読める内容のお話になっています。

ショートストーリーは、不定期に付き思い付き次第書こうと思っています。
3周年が無事向かえられるよう、皆様からのご指導応援を宜しくお願い致します。

何時もお越し下さる皆様、大変感謝しきりです。